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4WDで行く南部アフリカ旅日記


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2005年10月10日(月)
スタンプ4つ

 今日でモザンビークともお別れだ。
 テントを張ったマラクエネを出発する。 35km南下すると首都マプトに着く。
 マプトに着くまで何回か警察の検問があったが、1度も三角反射板について聞かれなかった。 △→こんな格好をしていて、車が故障した時に車の前と後ろに置くやつだ。 ガイドブックにも書いてあったし、マラウィで会ったフランス人にも「モザンビークでは三角反射板が2つないと、検問で絡まれる」と言われたので、わざわざマラウィで1枚買って2枚揃えたのに、モザンビークに入ってから検問で一度も聞かれていない。 せっかく買ったんだから、聞いてくれよ。

 EN1号線はマプト市内は通過しないので、郊外を通り抜ける。 だからマプトは見ていない。
 マプトからは料金所が立派な高速道路EN2号線に入る。 そのままEN2号線を真直ぐ走るとスワジランドとの国境、途中でEN4号線に入ると南アフリカとの国境になる。 俺らは直進してスワジランドを目指す。 国境の町ナマーチャ(Namaacha)まではマプトから約120kmで近い。

 モザンビークの出国手続きは至って簡単。 スワジランドの入国も簡単だった。 これで今回の旅8カ国目のスワジランド王国に入った。

 スワジランド王国は面積17,364平方キロと小さい。 長野県よりちょっと大きい程度の国だ。
 小さい国だけど、成人のHIV感染者率では世界一。 国民のほぼ半分はエイズだ。 原因の一つに一夫多妻制があるかも知れない。 前国王のソブザ2世は公式には約120人の妻、非公式の妾を含めると合計で公式妻の2倍以上の数になったそうだ。 単純に240人としても、忙しい。
 現国王のムスワティ3世も、お父さんの記録を追い越すべく爆走中だ。 2002年には18才の子を嫁にしようとして、その子のお母さんに裁判所に訴えられている。 もちろん王様に法律なんて及ばないけどね。

 さらにムスワティ3世は、勝手に54億円する自家用ジェットを買って世界中からブーイング。 アメリカから入国禁止措置を受けちゃった。 国民の大半が貧困層で、エイズ感染者のこの国での王様の贅沢に、世界どころか自国の議会からもブーイング。 でも王様だから。
 こうなったら日本の天皇にもがんばってほしいね。 いきなり自家用原子力潜水艦買っちゃうとか。 核ミサイル付き。 機嫌が悪いと発射ボタン押しちゃうの。 ムスワティ3世よりブーイングでしょ。

 で、スワジランドに入ったはいいけど特に面白そうでもなかったので縦断して出国することに。 わずか3時間弱の滞在で国を縦断して出国まで出来てしまった。 スワジランドの東端を縦断したけど、景色は良い。 国の東端に連なるレボンボ山脈を望みながら平原を走るが、道路も良い。

 ついに南アフリカに戻ってきた。 クワズールー・ナタール州のゴレラ(Golela)から南アに入国。 国境を越えて走っていると、いきなりキリンが3頭道路を横断していて久しぶりにビビった。
 N2号線に入ってチビりそうになった。 南アの道路は素晴らしい。 同じことをジンバブエから入った時も書いた記憶があるけど、モザンビークから入ると特に感じる。

 クワズールー・ナタール州を南下して、セント・ルシア湖にあるセント・ルシアに泊まることにした。 この町の雰囲気はかなり良い。 観光地なのだが、小さい町のせいか落ち着いていてのんびり出来そうだ。 時間がないから、のんびりしないけど。

 写真は、モザンビークで見掛けたヤギの集団を載せたトレーラー。 後ろを走りながら、いつヤギが落ちてくるか楽しみにしていたが、結局落ちて来なかった。

今日の走行距離; 486.1km
今日の出費(2人分)
食費: 138,500メティカシュ+21.10ランド
タバコ: 59,000メティカシュ
高速道路代: 14,500メティカシュ
車両持込税: 5エマランゲニ
ディーゼル代: 275エマランゲニ
テント設営代: 90.00ランド
合計: 212,000メティカシュ+280エマランゲニ+111.10ランド(約7,385円)

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2005年10月11日(火)
シャカランド

 鬼のように移動。 次回来た時はゆっくり滞在してみたいと感じたセント・ルシアを朝8時に出発。

 N2号線を南下すると、道路の両側は広大な植林畑が続いている。 昨日から続いているから、約150kmくらいはひたすら両脇が林。 製紙会社の看板を何度か見掛けたので、パルプ用の林だろう。

 エムパンゲニ(Empangeni)からR34号線に入り、ンクワリニ(Nkwalini)でR66号線を曲がる。 R66号線上にあり、エショウェ(Eshowe)という町の北14kmにあるシャカランドを目指す。
 シャカランドはホテルチェーン『プロテア』グループが経営する4つ星ホテルだ。 元々は映画『シャカ・ズールー』のセットとして建てられた場所を、ホテル+ズールー村として使っている。

 シャカは19世紀のズールー族の王で、軍隊にスパルタ訓練を取り入れたり、それまで投げるために使っていた槍を半分に折って手持ち用の短槍にする(彼らからすると大発明)など、強力な軍隊を擁して南部アフリカでズールー王国の勢力を広めた英雄だ。 シャカ王の前は、戦争中に1回でも自分の槍を投げちゃったら丸腰になったわけだ。 相手陣地に拾いに行くか、家に新しい槍を取りに帰らないといけないからな。

 と言っても、シャカランドはシャカ王にまつわる物があるわけではなく、観光客向けにズールー文化の紹介をしているツーリストアトラクションだ。 1泊2日コースと日帰り3時間コースがあり、3時間コースでは@シャカ王の紹介ビデオを見て、ズールー村に入ってAズールー・ビールの試飲、Bズールー・ダンスの鑑賞、最後にCビュッフェ式昼食が付いて195ランド(約3,220円)。

 ズールー族のどの踊りにも共通しているのが、頭に付けようとするくらい足を思いっきり上げる動きがあることだ。 あれは何を表現したいんだろう?
 値段の割にはそれなりに良いんじゃないかと思う。

 シャカランドを出て、N2号線をダーバン(Durban)に向かって西よりに南下する。 一昨日はまだモザンビークにいたことを考えると、かなりケープタウンに近づいてきた。
 今日の滞在は、ダーバンではなくピーターマリッツバーグ(Pietermaritzburg)にした。 ピーターマリッツバーグは、ダーバンの北西約70kmのところに位置する。 南アフリカで3番目に大きなダーバンよりも、ピーターマリッツバーグの方が動きやすいかなと思ったのだ。 ここで『ケムケム号』のサスペンションを直して、レソト王国へ抜ける峠道に備えないといけない。

 今日のニュースでジンバブエのインフレ率をやっていた。 今の時点で360%、年末には400%にいくのではないかとのこと。

今日の走行距離; 392.4km
今日の出費(2人分)
シャカランド入場料: 390.00ランド
携帯電話通話料: 104.50ランド
外食費: 34.00ランド
タバコ: 15.50ランド
食費: 8.00ランド
雑費: 10.00ランド
高速道路代: 20.00ランド
合計: 582.00ランド(約10,185円)

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2005年10月12日(水)
サスペンション交換

 宿のオーナーに聞いて修理工場を紹介してもらう。 彼自身も4×4を持っているので助かった。 プレトリアの時は宿のお兄ちゃんが自動車を持っていないので、「腕がよくて安い修理工場」と言っても全く情報を持ち合わせていなかったので、結局ディーラーで直した。
 今日紹介してもらったところは、サスペンション専門店。 丸ごと交換して570ランド(約9,975円)だったし、時間も3時間で出来た。

 さらに『ケムケム号』売却の話しをオーナーにしたら、知り合いでダブルキャブの4WDを探している人がいるらしく、電話で聞いてくれた。 希望売却値は4万ランド(約70万円)にした。 その人はピーターマリッツバーグには住んでいそうだが、興味があるということで明日『ケムケム号』を見るために町まで出てくるとのこと。 売れればいいな。

 売れなくてもそのままケープタウンまで乗って帰るし、売れたら4WDのレンタカーを借りて帰る。 正直言えば、最悪『ケムケム号』をタダで捨てることになったとしても別に良いかな、と思っている。 3ヶ月で160万円を捨てたことになるが、それなりに楽しんだし、何度か壊れたことが逆に記憶に残る旅のスパイスになった。

 写真はピーターマリッツバーグの市役所。 南半球最大のレンガ造りの建築物だそうだ。 市内には他にも沢山のビクトリア様式建築物があり、ヨーロッパ的雰囲気だ。

今日の走行距離; 13.2km
今日の出費(2人分)
タバコ: 13.95ランド
食費: 86.20ランド
雑誌: 21.95ランド
修理代: 570.00ランド
インターネット: 64.50ランド
合計: 756.60ランド(約13,245円)

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2005年10月13日(木)
すっぽかし

 今日は朝から雨。 今までマラウィ、モザンビークと暑すぎる国をずっと来たのに、南アに入ってから急に寒くなった。 今日はトレーナーが必要なほど寒い。 気温差の性か、体の調子がおかしい。 風邪でも引いたかな?

 『ケムケム号』に興味があると言う人が来るのをずっと待っていたが、全然来ない。 アフリカン・タイムですか? ずっと待っているわけにいかないので、出発の準備をする。 明日にはレソト王国に入る。
 結局、今日は準備とダラダラで終わった。

 写真はズールー族の女性たちが頭に壺を載せて運んでいるところ。 でも、これはズールー族だけの行動ではない。 マラウィではハンドバッグを頭に載せて歩いているお姉さんがいたけど、それくらいは手で持とうぜ。 モザンビークではドラム缶を頭に載せて歩いているおばちゃんがいてビビった。 皆、丸太とかでも頭に載せている。 日本人がマネをしたら、首の骨が折れると思う。

今日の走行距離; 13km
今日の出費(2人分)
ディーゼル代: 337.15ランド
クリーニング: 25.00ランド
食費: 64.80ランド
タバコ: 14.55ランド
インターネット: 40.50ランド
合計: 480ランド(約8,435円)

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2005年10月14日(金)
レソト入り

 今日のピーターマリッツバーグは曇り空。 何なんだ?この天気は。

 食料を買い足して、一路レソト王国を目指す。 ピーターマリッツバーグ市内からM70号線で、エデンダレ(Edendale)方面に西に向かい、突き当たりを左折してR617号線に入る。 市内から約120kmほどで、アンダーバーグ(Underberg)という町に着く。 食料や燃料補給が出来るのはここまでだ。

 サニパス(Sani Pass)という峠道を通ってレソトへ向かうが、この道は普通車ではかなりきつい。 特に4WDが必要というわけではないが、大きな石がゴロゴロ転がっている道を走るので、大きなタイヤと車高がある程度高い方がよい。

 南アでこの地方はドラケンスバーグ(Drakensberg)と呼ばれているが、意味は“ドラゴン山脈”。 天気が良かったらもっと景色を楽しめたと思うが、曇っていても十分美しい。

 南アフリカ側の国境は山の中にある。 辺ぴな所にあるためか、4時までしか通れない。 南アの国境を越えてから、レソト側の国境までは距離があるが、この間の道路が一番厳しい。 山側から岩が転がってくるようで、道には岩がゴロゴロ転がっているし、逆は崖だ。

 峠の頂上にレソト側の国境がある。 汚い小屋で、まわりに羊がウロウロしていて見落としそうになるような出入国管理事務所だ。 この時点で標高は2,873mで、周りは雲に囲まれている。 今回の旅での最高地点を更新中だ。

 レソトの入国手続きは簡単に済み、入国税として1人4ランド(約70円)という中途半端な金を払わされて入国。

 今回の旅で9カ国目となるレソト王国に入った。 レソトは周りを全て南アフリカに囲まれている内陸国で、面積は3万平方キロメートルしかない。 特に大した産業はなく、主要輸出品は南アフリカへの出稼ぎ労働者。 そのため国内の失業率は40〜45%と、南部アフリカで一番貧しい国の一つだ。

 国のキャッチコピーが『天空の王国』というだけあって、国全体の平均標高は高い。 首都マセル(Maseru)で1,600m、最高地点は3,482mある。 マセルの標高は、ネパールの首都カトマンズより高い。

 レソトに入ると、今回の旅行で見たことがないような景色が広がっていた。 緩やかな曲線の山々の間を縫うように道路があるのだが、高原の景色は非常に良い。 ただ道路はもちろん舗装されておらず、基本的に1車線道路。 谷側は崖なので、車同士すれ違う時が怖い。 何台か谷底に落ちて大破している車を見かけた。 舗装されてはいないが、道自体は悪くないのでスピードの出し過ぎに注意が必要。

 村の家も、他の国々とはちょっと違う。 茶色い石作りの家は山肌の色と合っていて遠くからは分かりづらい。 人々もポニーに乗って、大きな布を羽織っているなど、アンデス山脈にいるインディオのようだ。

 レソト1泊目は、モディモン(Molumong)に泊まることにした。 テントを張ったのが、夜から雷雨になり風も強い。 しかもめちゃくちゃ寒い・・・ ダウンジャケット必要。

 今日で『ケムケム号』の走行距離メーターが、23万キロを超えた。 旅行を始めてからの走行距離もあと少しで2万キロを突破する。

今日の走行距離; 238.8km
今日の出費(2人分)
宿代: 300.00ランド
タバコ: 14.55ランド
食費: 71.99ランド
入国税: 8.00ランド
テント設営代: 60.00マロティ
合計: 394.54ランド+60.00マロティ(約7,955円)

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2005年10月15日(土)
激辛飴

 結構レソトしんどい・・・ 最初は楽しんでいた景色だったが、徐々に苦痛に。 谷を越え、山を登ると隣の山が見えてくるが、その斜面に道路が見える。 その繰り返し。 舗装道路に出るまでの190kmを5時間半掛けて走ったが、平均速度約35km/hしか出せない。 道路の状況が非常に悪いわけではないのだが、山坂で石がゴロゴロしていて、カーブも多く滑りやすい。 谷側は崖なので滑ったら終わりだ。 その上、道路の幅が狭い。 今日は崖に半分落ちかけた大型バスを見かけた。 多分、カーブを曲がりきれず飛び出たんだと思う。 状況から見て、今日起こった感じ。

 レソトを走っていると、子供たちが走って道路に近づいてくる。 ここまではモザンビークと状況は一緒だ。 でもモザンビークと違ったのは、子供たちは手を振りに近づいてくるわけではなく、『何か頂戴』と手を出してくるのだ。 確かに何人かの子供たちはただ手を振るだけだった。 でもほぼ9割が手を出してくる。 窓を開けると、「お金ちょうだい」とか「甘いものちょうだい」と言ってくる。
 そこで、次回のレソト旅行には激辛飴とか酢昆布を持って行こうと思う。 彼らは旅行者があげた物なら何でも食べるだろう。 ところが世界にはやさしい旅行者だけがいるのではない、ということを彼らに身を持って教えてやらねばならない。 「知らない人から物をもらったらダメですよ」という常識がレソトでも通用する日は近い。

 舗装道路になってからは快適。 かなりキレイな道路だ。 でも相変わらず峠道だ。
 今日の峠道での最高地点2,880mを初め、Blue Mountain Pass(青い山峠)、God Help Me Pass(神様助けて峠)、Bushman's Pass(ブッシュマンの峠)のどれも標高2,000mを超えている。 さすがに「神様助けて!」と叫ぶほどではなかったが、かなりの急カーブの連続。 機会があったら、スポーツカーで走ってみたい。

 本来の今日の目的地はセモンコン(Semonkong)だったのだが、予想以上に移動に時間が掛かってしまった。 ローマ(Roma)という町を越えたところにある村のキャンプ場にテントを張る。

今日の走行距離; 293.1km
今日の出費(2人分)
ビール: 16.00マロティ
合計: 16.00マロティ(約280円)

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2005年10月16日(日)
滝と雹

 昨日の夜は激しい雷雨だった。 しかもテント内に浸水。 おいおい、このテントは防水加工をしているって書いてあったぞ?

 宿のあるラマバンタ(Ramabanta)から、マルツニャーネ滝のあるセモンコンという町へ向かう。 マルツニャーネ滝(写真)は、落差192mの南部アフリカ最大の滝だ。 車で近くまで行けるが、道路は凸凹だ。滝壺までは歩いて山を下らなければいけない。
 滝も良いが、周りの景色が特に良い。 渓谷になっており、ナミビアのフィッシュリバー・キャニオンには規模は負けるものの素晴らしい。

 昼食をセモンコン・ロッジで取っていると、雹(ヒョウ)が降って来た。 アフリカだから何処も彼処も暑いと思っている人も多いが、セモンコンでは冬になれば雪が積もって雪だるまが作れるほどになるそうだし、南アフリカにはスキー場がある。 今日も肌寒い。

 今日で旅行を始めてからちょうど3ヶ月が過ぎた。 3ヶ月目は出費が一番安く済み、174,720円。
 国立公園入園料や、ビザ代がほとんど掛からなかったのが大きい。 代わりに走行距離が増えた分のディーゼル代が増えた。
 走った距離は8138.3kmで、過去最高。 モザンビーク縦断でかなりの距離を走った。
 訪れた国はザンビア、マラウィ、モザンビーク、スワジランド、南アフリカ、レソトの6カ国。 忙しくて馬鹿みたい。 でも車、装備ともこれ以上の長期旅行は限界だ。 今回の“下見旅行”の教訓を、次回の本番旅行に活かさないと。

今日の走行距離; 135.8km
今日の出費(2人分)
外食費: 79.50マロティ
合計: 79.50マロティ(約1,390円)





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