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中東旅行日記


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現在地はどこなの?

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ハマの水車
2006年8月21日(月)
水車の町

 今週にはトルコに入りまーす。
 シリア辺りだと、まだヨーロッパには遠い気がするけど、トルコまで行っちゃうとヨーロッパはお隣ですごーく近づいた気がする。 なんせ、隣はギリシャだしな。
 ヨーロッパじゃないくせにEUに加入したいと言っているトルコだけど、俺は加入反対。 だって、トルコはヨーロッパじゃないもん。
 でも、トルコって中東と言ってもしっくり来ないし、西アジアでパキスタンと一緒にしてもしっくり来ないし、絶対にヨーロッパではないし、分類に困るところ。
 そんなわけで、トルコに入っても日記のタイトルは[中東旅行日記]のまま。 絶対にトルコのEU加盟は認めんからな!!

 今日は午後2時に起床。
 インターネットに行って今日の仕事は終了。
 写真は、ハマにある水車。 ハマは水車しかない小さな町。 でもシリアの他の観光地ほど人間もウザくないし、良い所です。
 水車以外にハマが有名なのは(シリア人の中で)、1982年の事件。 ムスリム同胞団とシリア政府が対立して、政府軍がハマを爆撃。 1万数千人が殺されたらしい。 ムスリム同胞団って、エジプトが本家の世界最大イスラム原理主義グループ。

旅の出費(2人分)
食費: 85シリア・ポンド
ビール: 100シリア・ポンド
インターネット: 90シリア・ポンド
合計: 275シリア・ポンド(約630円)

シリアの子供たち
2006年8月22日(火)
インフレは嫌い

 えー、お腹の調子が悪ーい!
 ケープタウンを発って以来、病気らしい病気は二度目。 一度目のルワンダの高熱は相当やばかったし、飲んだショッキング・ピンクの怪しい薬でトリップしちゃった(しかも、病気には効かず)けど、今回は大したことない。 一応、宿のお兄ちゃんにもらった黒っぽいカプセル薬を飲んだが、トリップ出来なかった。
 多分、食べた料理の油が古かったか何かだと思う。 インドネシアのボルネオで落ちていた魚を焼いて食って、お腹を壊した時とは比にならない位軽い症状。
 意外に俺って頑丈に出来てるみたい。

 夕方まで寝て、夜はインターネットでトルコ情報をチェック。 トルコの通貨『リラ』って、為替レートが1ドル=1,450,500リラもするらしいぞ!! 「145万リラです」って言われても、実は110円・・・ トルコでは1万円持ってれば余裕で“億万長者”になれる。
 でも、詳しく調べたら2005年に100万分の1のデノミを敢行して、100万リラが1リラになったらしい。 それはそれで混乱しそう。 最大紙幣が200万リラ札だったらしいけど、未だに流通してるらしいし。

 それもこれもインフレのせい。
 インフレが激しい国は旅行し辛い。 今で言うとジンバブエとか、アジア通貨危機後のインドネシアとか、両替しても翌週にはお金の価値が思いっきり下がって損をする。
 金の計算は面倒くさいし、旅行者にとってはあまり好ましくない。

旅の出費(2人分)
雑費: 100シリア・ポンド
食費: 180シリア・ポンド
インターネット: 110シリア・ポンド
合計: 390シリア・ポンド(約900円)

グルグル・チキン
2006年8月23日(水)
グルグル・チキン逃亡

 トルコはアンタクヤ行きのバス・チケットを購入。
 いよいよ明日シリアを出国! ハマには6日もいたけど、特に観光もせず。 ハマって大きな水車が4つ並んでるのが有名らしいんだけど、ホテルから歩いて20分掛かるって言うから止めた。 基本的にホテルから徒歩3分のネットカフェを最大にした行動範囲がハマでの俺の全て。
 あっ、一応クラック・デ・シュバリエには行ったからOKでしょ?

 ハマは旅行者に人気が高い。
 これと言って何も見所があるわけでもない。 クラック・デ・シュバリエだって、ハマから行くよりホムスから行った方が近い。 ハマから行く場合もホムス経由になるくらいだから。
 ハマは、雰囲気がなんとなく良い。 旅の疲れを癒すには調度よい。 俺の場合、疲れるような旅をしてないけど癒されたい。 ハマの人間は人当たりが良いし、店もめちゃくちゃボッてくることもない。 ネットも首都ダマスカスより安い。 癒されると言っても、この程度のレベル。

 本当は北部にあるシリア第2の都市アレッポに寄る予定だったのだが、ハマでアレッポ石鹸も買っちゃったし、用なし。 アレッポも大した見所はないらしいし。

 とにかく、グルグル・チキン(写真)から逃げ出したい!

旅の出費(2人分)
食費: 221シリア・ポンド
インターネット: 75シリア・ポンド
宿代(5.5泊分): 2,900シリア・ポンド
バス代(ハマ→アンタクヤ): 1,020シリア・ポンド
合計: 4,216シリア・ポンド(約9,450円)

ギョレメの中心部
2006年8月24日(木)
トルコ共和国

 中東6カ国目になる『トルコ共和国』にやって来た。
 トルコって結構大きくて、西はギリシャ、ブルガリアと国境を接し、東はイラン、イラクと国境を接している。
 どっちの隣国の名前を出すかでトルコのイメージが変わるよなー。 「イランのお隣です」って言われたら“トルコ風呂”のイメージだもんな。 「ギリシャのお隣です」って言われたら“ターキッシュバス”。

 昔、日本でソープのことを“トルコ風呂”って呼んでたらしいけど、在日トルコ人から苦情が来てトルコ風呂って呼ぶのを止めたらしい。
 そりゃそうだ。 ソープのことを“トルコ風呂”だなんて・・・トルコの人に失礼極まりない!
 ここで改めて俺がトルコ人に代わってはっきりさせておこう。 “トルコ風呂”はお姉さんが裸でマッサージしてくれる所ではありません!
 ホモの憩いの場なんです!
 きっと、文句を言ったトルコ人も「トルコ風呂に行こうぜ」って日本人に誘われたから、ウキウキして行ったはずなのに、実際に行ってみたら待っていたのは裸のお姉さん・・・
 裸の男じゃないんかい!
 そりゃ苦情も言われるわな。 根本が違うもん。

 シリア・ハマから移動すること16時間。 アフリカ以来の長距離移動。 やっぱ移動はしんどいわ・・・
 深夜12時半にハマを出たバスは、夜中の2時半ごろ国境を通過。
 本来、シリア出国には200シリア・ポンド(約450円)の出国税がいるはずなのだが、なぜか払わなくても大丈夫だった。 やっぱ俺の人柄かね?

 トルコ入国は至って簡単。 日本人がノービザで入れる国は久しぶり。 今回の旅でノービザで入れた国は、南アフリカ、UAEのたった2カ国だったから。

 入国手続きが終わるとバスでそのままアンタクヤ(Antakya)という町まで行く。 まだ朝の5時・・・
 アンタクヤのバス・ターミナルで乗り換えなので、その間に両替をした。 シリア出国税分が余っていたので、それをトルコ・リラに換えようと「400シリア・ポンドで何リラ?」と聞いてみた。 答えは「テン・ミリオン」。
 訳分かんねー!! 1,000万って単位が意味不明。 でも渡された紙幣は10リラ。 これまた訳分かんねー!! でも冷静になって考えたら、去年100万分の1のデノミをしたから、1,000万リラの100万分の1は10で合ってる。
 ・・・じゃー、最初から「10リラ」って言えばいいじゃねーか。

 しかし改めてよく考えると、100万分の1のデノミって凄いことよ! デノミって基本はお金の単位を切り下げるだけなんだけど、日本で「来月から100万円を1円にしまーす」って言われたらパニックになるぜ。 「新築マンション、30円でいかがでしょう?」って営業されたら買っちゃいそうだもんな。 単位の問題だから、実際の価値は3,000万円なんだけど、慣れてないと異様に安く感じちゃう。

 アンタクヤからアクサレイ(Aksaray)までバスで8時間。 ここでさらに乗り換えをして、今日の最終目的地ギョレメを目指す。
 ギョレメはカッパドキア観光の起点になる町。 トルコに興味がない俺でもカッパドキアくらいは聞いたことがある。 最初は寄る予定はなかったのだが、『有名だから』というミーハーな考えで寄ってみることにした。

 ハマを発ってから16時間後の夕方5時前にギョレメに到着。 さすが有名な観光地だけあって、観光客だらけ。 そして、なぜか韓国人パッカーが多い。

 カッパドキアって名前は知っていたけど、一体何が有名なの? ずっと遺跡があると思っていたのだが、実際に来て理解した。 自然の景色が変。
 変ちくりんな岩が並び、その中に町がある(写真)。 というか、その岩に人が住んでいた跡もあるみたい。
 知らなかったけど、世界遺産らしい。

旅の出費(2人分)
トイレ代: 1リラ
外食代: 5.5リラ
バス代(アンタクヤ→アクサレイ): 37USドル
バス代(アクサレイ→ギョレメ): 16リラ
合計: 37USD+22.5TRY(約5,980円)

カッパドキアの家
2006年8月25日(金)
奇岩ホテル

 カッパドキアでの滞在は、変ちくりんな岩を改造したホテル。
 昨日ここに着いた時に、町中のホテル案内所で色々探したのだが、ちょっと雰囲気が良さそうだと1泊180USドル(約2万千円)もする。 仕方なしにバックパッカーが泊まるような宿だと、まぁまぁなレベル。
 ちなみに、今泊まっているのは『Travellers Pension』という宿。 ドミトリーで1泊6リラからある。 一応、ここも岩の中を改造した宿になっている。 やたらと韓国人が多いのが気になる程度で、全体的には合格。
 写真で見ると、岩の中の部屋は雰囲気があってよいのだが、実際に部屋に入ってみると湿気臭い。 シャワールームなんて最悪で、湿気が逃げないからモワッとして健康に悪そう。 まぁ、仕方のないことだとは思うけど。
 良い点は涼しいこと。
 写真はお隣のホテルで、俺が泊まっている宿とは全く関係ない。

 本日は午後3時ごろから宿を出て町を散策。 散策と言っても、ビールを飲んで、インターネットカフェを何軒か回って料金チェックといういつものパターンで終了。
 今までの国と違ってトルコは物価が高いから、さっさと観光して、さっさと移動しないと金が掛かるというのは分かってるんだけどねー・・・ 今後、ヨーロッパなんかに入ったらもっと大変だし。
 明日には観光をしようと、バイクをレンタルすることにした。 100c.c.のホンダのスクーターで、8時間で45リラ(約3,600円)。 これで明日は死に物狂いで観光します。

旅の出費(2人分)
外食代: 12リラ
レンタル・バイク保証金: 20リラ
合計: 32リラ(約2,560円)

カイマクルの地下都市
2006年8月26日(土)
秘密基地

 今日はスクーターで100km以上走破した。
 まずギョレメ・パノラマに行って、上からギョレメを見下ろす。 変な形の岩がピョコピョコ生えている間にギョレメの町があるのを確認。 確かに世界でも珍しい景色なんだろうけど、特に感動せず。
 どんな感じの景色か?は、ネットで『カッパドキア』で検索してみてね。 他のサイトの方が詳しいだろうから。

 次に行ったのは、カイマクルにある地下都市。
 ここ楽しい! 久しぶりのヒット。 秘密基地が好きだった人は必見だね。 現在進行形で「秘密基地を造ってます」という人でもいいけど。 参考になるよ。
 カッパドキアには3つ有名な地下都市があって、デリンクユ、オズコナック、そしてカイマクル。 どこも岩を掘った地下都市なのだが、そこに4万人が住んでいたとか、地下19階あるとか、とんでもない所なのだ!
 カイマクルはその中でも小さい方で、人口2万人だった地下都市。 見学出来るのは、地下5階まで。
 小さいと言っても、さすがに段々飽きてくるから調度良かった。 とにかくアリの巣みたいに地下に広がっている都市を歩くんだけど、中に教会はあるは、学校はあるは、台所はあるはで面白い。 でも、通路が非常に狭いし、低いし、腰を屈めて歩かないと次の部屋に行けない。 通路の入り口に、敵の侵入に備えた巨大な丸石が置いてあるのも何個か見た。 敵が来たら、その石で通路をふさぐらしい。
 換気孔が地下都市を上から下まで貫いていた。 地下だから、という理由もあるが内部はヒヤッとする涼しさだし、換気孔からは冷たい空気が流れてくる。
 しかし、なんでこんな巨大な地下都市を造ったんだろう? 絶対に健康に悪いぜ。 今は観光客が行ってもよい箇所は電気が点っているが、昔は電気がなかったわけだから暗くてジメジメしてて、大変だったろうに。
 基地にはしたいが、家にはしたくない。

 他にもローズ・バレーとか行ったけど、やっぱり今日の一番は地下都市。

旅の出費(2人分)
ビール: 4リラ
食費: 0.75リラ
外食代: 20リラ
入場料: 20リラ
ガソリン代: 8リラ
インターネット: 4リラ
レンタル・バイク残金: 25リラ
バス代(ギョレメ→パムッカレ): 60リラ
合計: 141.75リラ(約11,640円)

宿の犬
2006年8月27日(日)
変わってしまった・・・ワン

 昨日一日でカッパドキア観光は終了。 秘密基地を見たから、もう他はいいや。
 今夜8時発のバスで、10時間掛けてパムッカレという所に移動。 このパムッカレは、写真で初めて見たのだが何だかよろしい感じで、楽しみ。

 夜8時まで時間はたっぷりあるものの、観光する気ゼロ。
 午前10時のチェックアウト後は、夜7時まで宿から一歩も外に出ず。 置いてあった宮部みゆき『Level7』を読破したり、ビール飲んだり。

 待ってる間ヒマなんで、どーでもいい話をします。
 国境を越えて「雰囲気がガラッと変わったな〜」と思う境があって、俺の場合アフリカから紅海を渡ってイエメンに入った時に雰囲気がまったくもって変わったのが面白かった。 今回シリアからトルコに入った時は、アフリカ→アラビア半島ほどではないものの、やはり「変わった」と思った。
 まず、エジプト以降使用頻度が高かった「シュワイヤ(ちょっと待て)」のジェスチャー。
 手のひらを上に向けます。 その状態で5本の指の先端をくっ付けてます。 花のつぼみの様な形になったら、その形のまま相手に突き出します。 これでアラブ世界では「ちょっと待った!」という意味になります。 客引きがうるさい時に、客引きの目の前でこのジェスチャーをすると、2秒くらい黙ります。 道路を渡る時に、このジェスチャーを車の運転手にしながら渡ると、轢き殺される確率が1.37%下がります。
 ところが、トルコで同じジェスチャーをすると、これが「かわいい」という意味になってしまいます。 うざい客引きの目の前でこのジェスチャーをしても、「かわいい?」 意味が分かりません。 道路を渡る時にこのジェスチャーをしても、「かわいい?」 何が? 意味が分かりません。
 エジプト以降では、小うるさい奴にイライラしてガン飛ばしながら「シュワイヤ」するのだが、トルコで同じことをしたら、顔はガン飛ばしてるんだけど実は愛のアプローチになってしまう。 なんだか俺、不器用な男みたいじゃね?
 変わってしまった・・・

 ちなみに、ここで俺の自慢をひとつ披露。
 俺、アラビア語がかなり堪能です。 数字だって、『1』と『2』と『5』と『50』の4つも言えるし、『タバコ』って単語だって知ってるし、『こんにちわ』と『ありがとう』も言えるし、『日本人』と『中国人』も覚えたし、『お前はそれでもムスリムか?!』だって言えるぜ!
 アラビア文字は、『7』が読める。 見て『7』だということは理解出来るけど、何て読むかは知らない。
 以上。

 変わってしまったことの続き。
 コーラの値段がいきなり2倍高くなった。 タバコの値段がいきなり5〜6倍高くなった。 でも、南アフリカを出て以来一度も見なかった『マルボロ・メントール・ライト』を発見した。 長距離バスがやたら豪華になった。 バスの運賃ですぐ2〜3,000円が飛んでいくようになった。 1日の出費の桁が増えた。
 今まで『セルビス』と言ったら乗合バスの意味だったのに、トルコに来て『セルビス』と言ったら無料送迎バスの意味になった。
 ま、こんな感じ。

旅の出費(2人分)
トイレ: 0.5リラ
ビール: 12.5リラ
外食代: 32.65リラ
宿代(2泊分): 90リラ
合計: 135.65リラ(約10,830円)





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