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アジア横断シルクロード旅日記


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現在地はどこなの?

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明古清風倣古街 in 張掖
2007年11月5日(月)
巨大釈迦涅槃大仏

 この張掖という町は、何だか居心地が良い。
 俺の場合、居心地の良し悪しの80%くらいは宿次第なのだが、その宿もコスト・パフォーマンス最高で何泊でも出来そうだ。
 しかも、この張掖は食べ物が美味しい所としても有名で、小吃(ちょっとした食い物)屋台も多い。
 さらに、写真のような古い街並みを再現した通りも何ヶ所かあり、雰囲気も良い。

 昔から居心地が良い町だったのか?あのマルコ・ポーロも1年間この町に滞在していた。

 今日は、『東方見聞録』でも紹介されている『大仏寺』に行ってみた。
 伝説によると、元の始祖フビライはここで生まれたらしいが、そんなわけないでしょう。
 この寺の最大の見所は、釈迦涅槃大仏。 長さ35m、肩幅7.5mの巨大大仏が寝転がっている。 屋内にある涅槃大仏としては中国で最大らしい。
 そんな場所に41元(約650円)も払って入ったわけです。 ところが入ってみると、改修工事中で大仏殿はビニールシートに完全に覆われており、全く外観が見えない! 一応、大仏殿の中には入れたが、中も鉄パイプの足場だらけで涅槃大仏が見辛い!
 工事中も通常と同じ入場料を取るというのは、どうも納得がいかん。

 まぁ、オフシーズンに入ったから改修工事を始めたのだろうけど。 今日も2万2千平方メートルの広大な敷地の寺に、客は俺1人だけだったし・・・

 夜10時頃、部屋に電話が掛かって来た。
 そういえば昨日も掛かって来た。 が、中国語なので何を言っているか分からない。
 今日も、「ティンプートン(分からない)」を連発して、「我不是中国人(私は中国人ではない)」と言ったら、ようやく向こうも電話を切った。
 そのわずか数分後、部屋のドアがノックされた。
 ドアを開けると、中国人女性2人が立っていた。 手にはバケツを持っている。 何やら中国語でまくしたてて、いきなり部屋に入って来るなり、人のシャワー・ルームでお湯をバケツに溜め始めた。
 ん? 何がしたいんだ?

 ズカズカと部屋に入り込んで来た彼女たち。
 何を言ってるのか分からんので、紙とペンを渡してみた。 「あなたは何歳だ?」と聞いてるらしい。 こういう意味の分からん状況では本当の年齢を言うようにしている。 29才だと言うと、2人で顔を見合わせてノートに「看起来20」と書いて見せてきた。
 看たら、起きて、来た、20?
 すると、今度は「この子を何才だと思う?」と聞いてきた。 この手の質問は嫌いなんだよな、と思いながらも適当に「23〜4才くらい」と答えると、答えは17才だった。
 『へー、大人っぽいし美人だとは思ったけど17才とは!』と感心していると、年増の女がジェスチャーを始めた。
 俺、17才の子、ベッド、一緒、寝る。

 売春かいっ!!
 「いえ、結構です」とお断りするが、一生懸命に勧めてくる。 しかも、値段は「500元銭」(約7,890円)だって。 高ぇー! トラックの運ちゃんレベルの貧乏人相手の“床屋さん”なら30元(約470円)で買えるのにね。

 最終的には向こうも諦めたようだが、なぜか明日に彼女たちの部屋でご飯を食べさせてもらうことになってしまった。 しかも、「明日は用事があるのか?」と聞かれたので、部屋でダラダラするつもりだったのに「観光する」と言ったら、逆効果で案内してくれることになってしまった。
 んー・・・観光したくないし、面倒くさい気がする。

 まぁ、せっかくの機会だから、売春婦とお友達になってみるのも悪くはないかな?

 そういえば売春で思い出したが、敦煌で女を買っていた日本人旅行者がいた。 彼は俺よりも随分と年下だったが、「俺は買わない」と言うと「なーに、純情なこと言ってるんですか!?」と言われた。
 えっ、俺が純情?!
 俺が買春しない本当の理由を知っている人なら笑いそうだが、まさか「純情」呼ばわりされるとはねぇ〜。 思わずニヤリとしてしまった。 
 ちなみに、俺が買春しない理由は、道徳的理由からでも、金銭的理由からでも、病気が怖いからでもない。 普通は中々ない理由だろうな。

 なんせ、純情だから・・・

旅の出費
入場料: 41元
外食代: 6.5元
インターネット: 5元
合計: 52.5元(約830円)

ポン引きママ
2007年11月6日(火)
保護者付き添いの下、白昼デート

 『中国で〜、純情少年ゆずランドがぁ〜、売春親子に出会ったぁ〜』(世界ウルルン滞在記風)

 昨晩知り合った女性2人は、四川省出身の親子だった。 お母さんがポン引き、17才の子供が体を張って金を稼ぐという、まぁ言ってみれば家族経営者たちである。
 今日の写真は、そんな売春親子の“お母さん”の方である。
 ババアはいいから、娘の方を見せろ!という抗議は一切無視する。

 今日は、そんな売春親子と1日を過ごした。
 名付けて、『中国・売春親子に案内された張掖ツアー!』
 略して、『中国・売春ツアー!』
 ↑この単語で検索したら、このページがヒットするんだろうな。 プププ

 お昼頃、彼女たちの部屋に遊びに行った。
 俺の泊まっている部屋の上の階が彼女たちの部屋だったが、あれは完全に住んでますね。 思いっきり部屋が改造されて“住居”になっていた。
 ホテル専属? このホテル、設備の割に激安だなーと思っていたのだが、実は売春宿なのだろうか?

 部屋で少し会話(筆談だけど)した後、ご飯を食べに行くことになった。
 連れて行かれたのは、彼女たちにとっては郷土料理になる四川料理レストラン。 「辛いのは食べられない」と言っておいたから、比較的マイルドな料理を頼んでくれたらしいが、それでも俺には辛くてお茶をガブ飲み。
 妊娠しちゃった!と思うほど半ば強制的にたらふく食わされた後はお会計。 一緒にレストランに行くことになった時点から、俺はこの時にどうなるか?を気にしていた。
 会計になった時に、彼女たちが全く支払う気を見せず、当たり前のように俺が支払うことになった場合、彼女たちが俺をどう見ているか?は考えるまでもないだろう。
 結果は・・・俺が知らない間にお会計を済ませていたようで、「俺も払う」と言ったが拒否された。
 !!
 昔は知り合いだった某航空会社のスチュワーデスたちよりもまとも! 飲みに行っても食べに行っても財布を出す素振りすら見せない彼女たちは、売春親子以下だったってことかぁー・・・ 会社を解散させて、BMWを売って、アフリカで学生になるとなってからは一切連絡なしで分かりやすい(笑)

 次は、市内の公園に連れて行かれ、なぜか3人で鳩にエサをやることに。
 鳩が許可なしに俺の肩にとまってくるし、集団で俺を襲おうと飛来してくるし、楽しいんですかコレ?

 さらには『甘泉公園』という別な公園へ場所を移して、公園内にある釣堀で、なぜか釣りをすることに。
 何時間くらいやったのだろう? 1匹も釣れないから、暇で暇で・・・楽しいんですかコレ?
 エサも彼女たちが全部付けてくれるし、適当にポイントを選んで投げてくれるから、俺はただその後に竿を持ってポケラーっとしているだけなのだが、「俺がこんなことをしている間にも、世界では沢山の子供達が死んでいっているんだ・・・」と思うと、とてもとても楽しめる気分にはなれないしねー。

 結局、3人で1匹も釣れなかったが、ポン引きママが他の釣り人(おっさん)に色目攻撃?を使ってフナを一匹ゲット!
 そのフナをレストランに持ち込んで調理してもらった後、テイクアウトして宿に帰ってきた。
 部屋で、ポン引きママが他の料理も作ってくれて、また死ぬほど食べさせられた。

 結局のところ、散々食べさせてもらっただけのような・・・
 なんか、結構お金を使わせちゃって悪かったかな?

旅の出費
入場料: 8元
タバコ: 3.5元
生活用品: 1.5元
釣竿レンタル: 4元
インターネット: 6.5元
宿代(3泊分): 114元
合計: 137.5元(約2,170円)

よく屋台で売られているお菓子 in 中国
2007年11月7日(水)
中国・豆知識

 今日は、張掖から武威という町まで移動した。
 この調子で行けば、予定通り15日には西安に到着できそうである。

 バスからの車窓で、道路沿いに立っている色々な看板をボケーっと見ていた。
 中国で片言の英語すら通じないのは、外来語を何でも中国語に直訳してしまうからだと思う。
 『スーパー(超)マーケット(市)』も良い例だし、世界貿易センターとか、ショッピング・センターとかのセンターも『中心』になる。 インターネットだって『上網』で、ネットカフェでどんなに「インターネット!」と言っても通じたためしがない。 ネットって確かに網だけれども。
 今日気付いたのは『熱線』。
 企業の広告の下の方に書いてあって、続けて電話番号が書かれている。 まぁ、間違いなく『お客様ホット(熱)ライン(線)』のことだろう。
 でも、やっぱり直訳すると変じゃないか?

 中国語で、スーパーマンって何て言うんだろう?
 『超男』?
 じゃぁ、ウルトラマンは? 超より格上の言葉が思い浮かばないんだけど。
 『絶男』?

 他には、『水泥』と書かれた看板も見た。
 んー、何の会社だろう?と散々考えた挙句、『コンクリート』のことじゃないか、という結論に達した。 広告の感じが、コンクリート会社のものだと思えば納得がいく。
 確かに、泥みたいだけれども・・・

 中国語って、漢字表記しか出来ないから不便だろうな。 自分の文化圏だけで世の中が回っている時は便利(というか、普通)だろうけど、他の文化圏から流入してくるものも多い時代は不便だと思う。
 例えば、俺が細菌を新発見して、その発見した細菌に『ピッコンパラチュカプータン菌』と名付けたとしよう。 アルファベット表記は、そのまま音を当てはめれば良いだけだが、中国語の場合は同じ音でも複数の漢字があるわけだから、どの漢字を当てはめてピッコンパラチュカプータン菌を書き表したら良いのか?複数ある選択肢の中から選ばなければならない。 しかも、複数の書き表し方があってはおかしいから、必ず統一しなければいけない。
 そういう外来語にどの漢字を当てはめて表記するか決めて、中国語の中で統一させる機関があるとは思うが、次から次に新しい言葉が生まれる世の中で、不便でしょうね。
 日本語は片仮名があって良かった!

 話と関係ないけど、中国で『愛国教育基地』とか『愛国主義』といった標語を見かけるけど、この『愛国』って日本製熟語だって知ってた?
 トリビア〜! ←古いですか・・・?

 ところで、武威でDVD買っちゃった。
 今日買ったのは、『千里眼』(水野美紀、黒木瞳)と、『俺は鰯』(ユースケ・サンタマリア、大沢たかお)の2枚。

 写真は、中国でよく見かけるお菓子。
 売春娘に買ってもらったが、「なんじゃこりゃー!」と思ってこっそり捨てた。
 サイケな色合いが、どんなケミカルを使っているのか知りたいような知りたくないような気分になる、虫歯必死のお菓子だった。

旅の出費
DVD: 16元
外食代: 8元
バス代(→武威): 43元
合計: 67元(約1,060円)

新装開店祝いに爆竹を鳴らす in 武威
2007年11月8日(木)
歴史に想いを馳せて・・・

 この武威という町の名は、『武帝の威がこの地に及んだ』ことを示して名付けられたそうだ。
 今日は、そんな歴史に想いを馳せるべく、武威の街を歩き回った。

 まず行ったのは、宿から徒歩2分のインターネットカフェ。
 『ちんぽー族』と検索してみると、機密情報のはずなのに多数ヒットするではないか!?
 なになに? 景頗族と書いて、ちんぽー族?!
 むっ、漢字で書かれると裸族じゃないような気もしてくるな・・・
 ちんぽー族の現在の人口は約12万人。 その内、11.8万人は雲南省に住んでいるらしく、その中でも特に多いのが徳宏タイ族ちんぽー族自治州というミャンマーとの国境沿いの自治州だそうだ。
 「ちんぽー族は従来勇敢で力強く、頑丈な民族と言われている」
 頑丈な民族?! 日本語的に少し不可解だが、「真冬にちんぽーケースだけでも寒くないもんっ!」的なことを言いたいのだ、と俺は理解させてもらった。

 問題は服装である。
 「男性は白色或いは黒襟の前開き丸い襟の上着を着ることが大好きであり、頭巾に縁どりの図案と彩色の小さい綿毛の珠を飾りつける。 外出する時、普通腰刀と筒状のバッグをもつ」
 なんじゃ、この下手くそな日本語は!?
 下手くそ過ぎて意味が全く分からん! 唯一分かったのは、外出する時に刀を差して、筒状のバッグを持っていることだけである。
 ここで疑問なのが、筒状のバッグは本当にバッグなのか?!という点だろう。 筒状のちんぽーケースを、バッグと見間違えた可能性も大いにあり得る。 事実、ニューギニアにはちんぽーケースを貴重品入れとしても使用している族がいるくらいだから、バッグと勘違いしてしまっても致し方のないことであろう。

 雲南かぁ・・・

 ネットカフェに続いては、武帝時代の歴史を調べるべく、CDショップに行った。
 この前、バスの中で久しぶりにヴィンス・ニール(元モトリー・クルー)の『Exposed』を聴いたんだけど、いつ聴いてもギターが格好いい!
 このアルバムでギターを弾いているのが、俺が好きなスティーヴ・スティーヴンスというギタリスト。
 実力の割に知名度がイマイチなのが悲しいところだが、映画『トップガン』(トム・クルーズ主演)のテーマ曲を作曲したのも彼である。 そんな彼だが、今まで一緒に仕事をしてきたアーティストの顔ぶれは豪華である。 ビリー・アイドルと組んでいたこともあるし、ロバート・パーマーとも組んでいたこともあるし、マイケル・モンロー(元ハノイ・ロックス)と『エルサレム・スリム』というバンドを組んでいたこともある。 ちなみに、エルサレム・スリムはファースト・アルバムを出す前に解散してしまった。 ヴィンス・ニールとも、アルバム1枚を出して直ぐに喧嘩別れしてしまった。 つまり、誰と一緒にやっても長続きしないギタリストなのである・・・
 マイケル・ジャクソンの『BAD』の中にも、1曲だけスティーヴン・スティーヴンスが参加している曲があるし、なぜか氷室京介のアルバムにも参加している。
 彼のギターの基礎はアコースティック・ギターで出来たらしく、ハードロックに限らずフラメンコまでこなすオールラウンド・プレイヤーなのだ。
 彼はソロでフラメンコ・ギターのアルバムを出したりもしているのだが、久しぶりに聴きたくなったのは『Steve Stevens Atomic Playboys』というハードロック・チューンのアルバムだ。
 彼の格好いいギターを聴きたければ、ヴィンス・ニールの『Exposed』と、『Steven Stevens Atomic Playboys』の2枚で充分に堪能出来る。
 クリス・インペリテリや、ポール・ギルバートも確かに凄いとは思うけど、スティーヴ・スティーヴンスはセンスが違うんですよ、センスが。

 前置きが本題より長くなりましたが、そんなわけでアルバムを探しに行ったわけです。
 ところが! 浜崎あゆみとかL'Arc~en~CielのCDは売っているが、スティーヴ・スティーヴンスのCDは売ってない! 何故だ?
 あと、FUZZの『極彩』というアルバムと、M.E.R.R.Y.の『M.E.R.R.Y.』というアルバムも探したのだが置いてない! こんな品揃えしかないCD屋なんて、CD屋なんか止めちまえ!

 すっかり武帝の足取りが途絶えてしまったので、仕方なくDVDを買った。
 今日買ったのは、『.45』、『TEN 'TILL NOON』、『Euro Angels - 女子体操のメダリスト・白い天使たち』の3枚である。

 いやー、やっぱ武帝はすげぇや!

 写真は、お店の新装開店祝いで全長50mはあろうか?と思われる爆竹を鳴らしているところ。

旅の出費
タバコ: 3元
DVD: 24元
外食代: 8元
食費: 11.3元
インターネット: 6.5元
合計: 52.8元(約830円)

甘粛・秋田友好会館
2007年11月9日(金)
蘭州秋田友好会館

 今日は、武威からバスで約4時間掛けて甘粛省の省都・蘭州にやって来た。
 そして、蘭州までのバスの中で「移動に飽きちゃった!」と思ったので、今後はバスでの移動を止めます。 西安まではバスで頑張るつもりだったけど、蘭州からは列車で一気に西安に直行です。
 天水という町とか、どーでもよくなった。

 蘭州は、さすが省都だけあって都会だった。
 人口300万人で、高層マンションがやたらと目に付く。 ウルムチ以来の都会で迷子になりそうである。

 実は、長距離バスの中で蘭州の地図をボケーっと眺めていたら、気になるものを発見してしまった。

 『甘粛秋田友好会館』

 ん? 秋田って、日本の東北地方にあるやつ? 美人と、お米と、お酒と、稲庭うどんと、比内地鶏と、ナマハゲで有名な、あの秋田?
 これは秋田県人としてはチェックしておかねばなるまい。 幾ら両親が秋田県人ではないと言えど、俺自身は秋田生まれである。 未だに覚えている秋田弁は『んが』と『がも』の2つだけだが、今でも『フェラガモ』と聞くと「まぁー、なんて破廉恥なっ!」と思ってしまうことを考えれば、秋田県人であることに疑いの余地はないだろう。
 静岡弁は一つも覚えていないことと比べれば、2つも覚えているだけで凄いずら? あっ・・・

 ホテルを決めて荷物を置き、早速『甘粛秋田友好会館』を探す。 道端で蘭州市のバス路線が載っている地図を買い、バスに乗って金城盆景区という公園の近くで降り、散々歩き回った。
 皆さんも既にご存知かも知れませんが、『地球○歩き方』とかいうガイドブックの地図って糞じゃない? 当てにして散々歩き回った挙句、中国人に聞いてみたら全然違うところにあるやんけ!!

 で、ついに見付けた。
 写真を見ていただきたい。 ちゃんと『秋田會館』と書かれている。

 ・・・・・
 こ、これだけ?!

 しかも、入り口が普通にレストランになっており、どっからどうみても秋田と関係ねー!
 レストランの隣りが公安関係の事務所になっており、公安の制服を着た人がいたので聞いてみた。
 「ここって『甘粛秋田友好会館』ですか?」と。
 「そうだ」という答えだったが、同時に「で、何か用?」みたいなことを言われた。
 うっ・・・ 冷静に「何か用?」とか問われちゃうと、痛い。 すっごく痛〜い。 だって、用なんてないもの。

 俺の中では・・・ヘラヘラと『甘粛秋田友好会館』に入っていくと、「おっ!どこから来た?」みたいな話になって、「いやー、秋田からなんですぅ〜」って言ったら、「そいつはめでてぇ!」みたいな雰囲気になって、「せっかく来たから、お前の好きな『刈穂』を死ぬほど飲んで行け!」と日本酒を樽で出されて、両腕にチャイナドレスの甘粛美女をはべらせながら秋田と甘粛の将来について語り合うのかなーって・・・

 東京會舘なら難しそうだけど、秋田會館ならありえそうじゃない?

 ところが現実は厳しかった。
俺: 「用っていうか、俺、秋田から来たの」
公安: 「へー」
 うっ、寒い!! 何だか無性に寒くなってきた。
 風を身に凍みながら、トボトボと帰ってきました。

 ネットカフェに寄って、調べてみた。
 秋田県と甘粛省が友好条約を結んで今年が25周年にあたるらしい。 ついでに不可侵条約も結んでいるらしい。
 県だけではなく、秋田市と蘭州市は町単位でも友好都市だそうだ。
 今年の7月に秋田県から3人(少なっ!)の代表団が蘭州に来て、接待されて帰ったらしい。 そんなどこの馬の骨かも分からんような奴らを接待して、なぜ俺を接待しない!?

 でね、俺の見たホームページには秋田弁講座みたいのも載ってたの。
 それを見て思ったけど、秋田弁しか話さない人と、タイ語しか話さない人がいたら、俺はタイ語しか話せない人との方が会話が弾む気がする・・・
 でも今日気付いたけど、秋田弁は面白い!

 そのホームページを見ながら俺が文を考えた。
 「んがのひじゃかぶ、めんけだびょん」

 来年あたり、この『ひじゃかぶ』と『だびょん』が全国的に流行る気がする。
 『ひじゃかぶ』は、「ひざ小僧」。
 『だびょん』は、「〜でしょ」。

 立ち上がる時に机にひざをぶつけたら、「ひじゃかぶ、ぶつけちゃったぁー!」と泣き叫ぼう。
 友達を飲み会に誘う時には、「お前も飲み会行くだびょん?」と聞こう。

旅の出費
本: 13.5元
市バス代: 2元
外食代: 10.5元
インターネット: 5元
バス代(→蘭州): 60元
宿代(2泊分)in武威: 76元
宿代(2泊分)in蘭州: 92元
合計: 259元(約4,090円)

黄河
2007年11月10日(土)
ババ引いた

 蘭州は、青海省のバヤンカラ山脈に源を発した黄河が初めて通過する大都会である。
 市内にある中山橋には『黄河第一橋』という石碑が立っており、人民たちが記念撮影をしているが、俺が地図を見た限りでは中山橋よりも上流に3本の橋が架かっている。 それも蘭州市内だけでだ。
 『第一橋』などとは嘘八百だが、今回だけは秋田とは友好都市ということもあり許してやろう。
 写真が、黄河と中山橋。

 今日、西安行きの列車チケットを買った。
 明後日発の快速列車のK120便で、迷った挙句に一番安い硬座(94元)を購入。 実は俺は中国で硬座にしか乗ったことがない。 昔の硬座は読んで字の如し、硬くて直角の木製ベンチだった。 それが噂によると、最近の硬座は結構快適らしく、ちょっと試してみたくなったのだ。
 仮に昔のままだったとしても、9時間程度の距離だったら余裕だろう。 それ以上の距離になると、「痔にはボラギノール!」と叫ぶ確率が高くなる。

 列車のチケットを買った時、100元札を出したら、突き返されてしまった。 「別な100元札を出せ」と言う。
 夜になって部屋に戻ってから、突き返された100元札を調べてみると・・・
 こりゃ、偽札じゃねーか!!
 まず、紙質が違う。 それから透かしの毛沢東があるにはあるのだが、位置が本物よりもずれている。 さらに、本物には毛沢東の下にやはり透かしで『100』と入っているのだが、ない。
 うーむ・・・知らない間にババを掴まされていたようだ。 問題は、どこで?だが・・・
 ATMでお金を下ろしたのは、新疆ウイグル自治区のピチャンが最後だ。 その後は、一昨日の武威で中国銀行に行って100USドルを両替しただけだ。
 この時以外に俺が最高額紙幣である100元札を手に入れることはない。 中国人に「この100元を細かくしたいから、50元札2枚と取り替えてくれ」と言われたことがあるなら話は別だが、そんなことはない。 ここ最近は、ずーっと泊まった宿でもデポジットに100元を取られたことはない。 つまり、チェックアウトの時に100元札を返してもらったことはない。
 ちゅーことは、武威の中国銀行で両替した時以外に考えられん! あのクソばばあ!!
 銀行が偽札に気付かないわけがないから、わざと渡しやがったな・・・

 ガイドブックには、「偽札に気付いたら絶対に使用しないこと。 気が付かずに使用した場合でも立派な犯罪になる」と書いてある。
 絶対に使ってやるわ、ボケーっ!
 ババは人民の間で回るべきであって、日本人で止めてしまうわけにはいかない。

旅の出費
タバコ: 10元
外食代: 8元
食費: 15.8元
市バス代: 2元
インターネット: 12元
列車チケット(→西安): 94元
合計: 141.8元(約2,240円)

張掖路歩行街 in 蘭州
2007年11月11日(日)
旅の期限

 意外と簡単に偽100元札を手放せた。
 夕方5時、朝飯を食いに行った。 3.5元のジャージャー麺を食べ、レジに行って4元を支払った。
 すると、店のお兄ちゃんがその内の1元を突き返してきた。 よく見ると、その1元札の端っこがちょこっとだけ切れている。
 「ちっ、しょーもない」と、別な1元札を出すと、それも突き返された。 やはり端っこが微妙に切れていた。
 気になるんだったら仕方がない。 もう他の1元札がなかったので、10元札を出した。 すると、その札を色々と調べたお兄さんは、またもや突き返してきた。
 何なんだ、こいつは?
 それなら仕方がない、偽100元札でどうぞ。
 「他に金は持っていないのか?」と、俺の持ち金を確認するお兄さん。 他には別な100元札(本物)しか持っていないことを確認すると、お兄さんはなぜかその本物の方の100元札を透かしたりして確認すると、偽100元札をレジにしまい、お釣りをくれた。
 今度は、俺の番。 お釣りをチェックして本物だったので「さようなら」。

 ・・・・・

 端っこが微妙に切れているだけの1元札が嫌だったばかりに、偽100元札を手に入れることになったお兄さん。
 気にし過ぎて馬鹿を見る、良い例であった。 後で悔やんでも、もう遅い!
 ちなみに、突き返された10元札は後で調べてみたが、本物だった。 仮に偽札だったとしても、たかだか10元札くらいなら捨てても痛くない。

 ところで本題だが、自分でも最近は日記が長ぇーな・・・と思っていたのだが、なんだか今日も長くなりそうな気配がする。

 一応、皆には「今年中に日本帰国」を目標にしているフリをしていたが、新彊にいる頃に考えが変わっていた。 俺の中では以下の通りの予定になっていた。
 薄々気が付いていた人も多かったようだけど(笑)

 北京でパスポートを更新、ついでに中国ビザも延長。 本当は満州を回るか?迷っていたのだが、これは諦めて普通に北京、上海と南下し、香港へ。 香港で再度中国ビザを取った後、中国を北西に向かって雲南省方面を回った後は、陸路ラオスに入り、ラオスからタイへ抜ける。
 バンコクから中華航空で台湾の高雄に飛んで、高雄から台湾を陸路で北上。 台北の北、基隆から船で沖縄に入って日本帰国を果たした後も、九州から本州へと北上して行って最終的には北海道まで行くつもりだった。

 バンコクから高雄までの航空運賃は新彊にいる間に既に調べてもらっていて、香港から飛ぶのと比べて数千円程度高いだけだったことも、決め手の一つだった。

 ですが・・・昨日の夜に考えて、やはり「年内中に日本に本帰国」することに決めた。
 正確に言えば、昨日の夜は寝ておらず、寝たのは今朝6時だから、決めたのは今朝だな。
 起きたのは夕方だから睡眠時間はいつもと変わらないんだけど。
 しかも、「年内に日本(沖縄)に船で帰る」という当初の予定よりもさらに早足で、「年内に日本(成田)に飛行機で帰る」ことに決めた。
 これには大きな違いがあって、「年内に日本(沖縄)に船で帰った」場合、沖縄に着いた時点で日本帰国は果たしたことになるが、その後は沖縄でバイトしてお金を貯めてから日本列島を北上するつもりだったから、実際に『旅が終わる』のは来年のいつか分からない。 だが、「年内に日本(成田)に飛行機で帰った」場合、その時点で『旅が終わる』。

 こういうことは、いつも突発的に決めているような感がするだろうが、実は頭の片隅で絶えず迷っていた。
 今までの考えの変化を書こうと思ったけど、すっげー面倒くさいし、とてつもなく長くなるということに気付いて、途中で削除した。

 理由を簡単に言えば・・・
 旅に飽きたからではない。 そんなもん前々から飽きてるわ! 疲れたからでもない。
 なんだろな・・・時間が惜しく感じてきた、というか。 他にもっと優先順位の高いことがあって、それを先延ばしにしたら後々後悔するのではないか?と感じてきたというか。 そして、その優先順位の高いことが何かをはっきりと認識したというか。
 まぁ、そんな感じ。

 写真は、蘭州の繁華街『張掖路歩行街』。

旅の出費
外食代: 3.5元
宿代(1泊分): 46元
合計: 49.5元(約780円)





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