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アジア横断シルクロード日記


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現在地はどこなの?

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イスタンブール新市街のガラタ塔
2007年2月19日(月)
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 イスタンブールは丘の多い町だ。
 見える街の景色が、今日の写真のように丘にびっしり家が建っていて、そんな丘があちこちにピョコピョコある感じ。
 ちなみに日記の写真は、イスタンブールの新市街を旧市街側から撮ったものだ。 真ん中に高くそびえているのがガラタ塔。 その塔の先はタクスィム広場で、いつも人で溢れる繁華街になっている。
 旧市街も新市街もヨーロッパ側にあり、アジア側は海峡を挟んである。 アジア側はよく見えるところにあるが、まだ行ったことはない。 そういう意味では日記のタイトルを『アジア横断日記』などと気の早いことを言っているが、実はまだヨーロッパにいたりする。 個人的にトルコをヨーロッパとして認めていないだけなので、深くは気にしない。

 先週は若干ダラダラと過ごした感があるので、今週からは“1日1仕事”を目標に活動的旅行者に変身する予定だ。
 今日の仕事は・・・コピーを取る!!
 早速この難しそうなミッションをクリアすべく、町をぶらつく。 なんせ、パスポートを10枚もコピーしなければいけない! 嫌がおうにもやる気満々になってしまう。
 人の話では1枚0.025リラ(約2.2円)でコピー出来るところがあるというので、10分ほど町を歩いてみるが段々面倒になってきて1枚0.1リラ(約9円)のところでコピーをした。 なんだか4倍も高い気がするが、金額で考えれば差額たったの7円だ。
 知らない間に俺も小さな男になってしまったようだ。

 今日の難しそうなミッションはこれにて無事クリア。

旅の出費
食費: 4リラ
コピー代: 1リラ
インターネット: 2リラ
合計: 7リラ(約630円)

鰹を三枚下ろし
2007年2月20日(火)
良いこと尽くし

 トルクメニスタン領事館に電話した。
 実際に行っても良いのだが、イスタンブールにあるトルクメニスタン領事館はとんでもなく遠い。 空港の先にあって、片道1時間掛かる・・・
 バシュさん(前大統領)が死んでからビザ発給をストップしていたけど、「もうそろそろビザ発給を再開したんじゃないですか?」という電話だ。
 旧ソ連の国だから英語が全く通じず、ロシア語だけだったらどうしよう・・・と心配していたのだが、電話口の女性は流暢な英語を話した。
 そして、彼女が出した答えは「ビザ出します」!!
 いやー、これは号外ですよ。 昨年12月以来閉まっていたトルクメニスタンがようやく開放されました。
 と言うことは、イスタンブールから中国まで中央アジアを通って“陸路”で行けるということ。 シルクロードを逆走しちゃいます。

 よ〜し、アジア横断の準備を始めないとな!
 明日から各国のビザ取りをします。

 夜のシェア飯は、『鰹のたたき』! 毎回思うけど、大人数の分のご飯を作るって大変なことですよ。
 今日も鰹を3枚下ろしにするところから始めて、手が込んでおりました。 いつもは20人分の食事を作るのが、今日は珍しく10人分ほどで済んだというのはあるけど、それでも手間暇が掛かる点では一緒でしょう。
 文面からして、俺が作るかのように受け止めれるけど、俺は全く作りません。 食べる係専門。

旅の出費
食費: 5.25リラ
電話代: 0.5リラ
インターネット: 1.6リラ
合計: 7.35リラ(約660円)

フレーム
2007年2月21日(水)
ウズベキスタン・ビザ申請

 午前中にウズベキスタン領事館にビザ申請をしに行った。 これがまためちゃくちゃ遠い・・・
 トラムの終点からバスに乗り換え、宿から1時間も掛けて『ISTiNYE』とか言う場所まで行った。

 昨日トルクメニスタン領事館に電話しておいて、なぜ今日はウズベキスタンのビザを取るのか? 説明すると面倒なので説明しません。 そもそも、トルクメニスタンってどこ? ウズベキスタンってどこ? 説明しても知らないだろうから説明しません。
 ちなみに、俺がこれから行こうとしている国々で一番面倒なのは1番にトルクメニスタン、次がウズベキスタンだ。 2ヶ国ともビザ申請の時に、入国日を指定しなければいけない。 これが非常に厄介! 例えば、トルクメニスタンのビザの入国指定日を3月1日にして申請したとしよう。 ついついトルクメニスタンに向かう道中で長居してしまって、指定日に辿り着かなかったとしてもビザは自動的に3月1日から有効になり、5日後の3月5日にはビザが切れてしまう。 逆に、間に合わずに3月3日に辿り着いたとしても、2日後の5日には自動的に切れてしまうのだ。
 飛行機で何月何日にトルクメニスタンに飛びます、という人なら全く問題ない。 ところが俺の場合、トルコを出た後にグルジア→アゼルバイジャン→グルジア(再)→アルメニア→イランと移動してようやくトルクメニスタンに辿り着くわけだ。 トルコを出てから5ヶ国後の予定など立てられるわけがない! それなのに、5ヶ国後のトルクメニスタンの入国日を指定し、6ヶ国後のウズベキスタンの入国日を指定しなければならない。
 そもそも、きちんと予定を立てて旅行したことなどない俺が、中央アジアに関してだけはきちんとした予定を立てないと旅行が出来ない。
 昨日、散々考えた挙句ウズベキスタンには今年5月21日に入国することにした。 そこから逆算してトルクメニスタンのビザも申請する。 アゼルバイジャンのビザも入国日指定だが、それは隣国のグルジアで指定する。

 多分、今日の日記を読んでも何の話をしてるのか?さっぱりチンプンカンプンの人が多いと思う。 俺でさえ、意味が分からんからな。
 まぁ、簡単に言えば中央アジアを横断するのは面倒くせー!!

 暇な人は、俺の予定ルートを世界地図で確認してみてね。 今回はアフガニスタンはルート取りに合わないから行きません。 アフガニスタンとパキスタンに行けば、世界の“〜スタン”国家を制覇なんだけどね。

 『トルコ』→『グルジア』→『アゼルバイジャン』→『グルジア』(再)→『アルメニア』→『イラン』→『トルクメニスタン』→『ウズベキスタン』→『タジキスタン』→『ウズベキスタン』(再)→『カザフスタン』→『キルギス』→『中国』

旅の出費
食費: 4.3リラ
タバコ: 0.3リラ
電話代: 0.8リラ
外食代: 1.5リラ
交通費: 5.2リラ
クリーニング: 3リラ
合計: 15.1リラ(約1,370円)

エジプシャン・バザール
2007年2月22日(木)
スリ

 今日の仕事は、チケットを買うこと。
 バスのチケットではありません。 飛行機のチケットでもありません。 サッカーの試合のチケット。
 明日20時キックオフの、ガラタサライ対デニズリスポルの試合だ。
 ガラタサライは、トルコの国内リーグ“スュペル・リグ”の名門チームで、過去にリーグ優勝14回、UEFAカップ優勝の実績を持つ強豪だ。 稲本がガラタサライに移籍したことでも有名。
 他に、元日本代表監督ジーコが監督をするフェネルバフチェも、ガラタサライ同様にイスタンブールを本拠地とするビッグ3の1つとして有名だ。
 ジーコはどうでも良いが、稲本がスタメンで出ているガラタサライの試合を見てみたい。
 現在、ガラタサライはリーグ2位。 展開によっては白熱した試合になって面白そうだ。
 チケットは、1人13リラ(約1,180円)だった。

 ところで、このチケットを買いに行く時に日本人旅行者5人で行ったのだが、その内の1人が腰に着けていたウエストポーチからカメラをすられた。
 手段は、ティッシュを売りつけようと近づいて来て、しつこつ付きまとい、その間にウエストポーチを開けてカメラを盗むというもの。
 5人で一緒にいたにも関わらず、全く気が付かなかった。 俺が1番先頭を歩いていたにも関わらず、俺を素通りしてウエストポーチをしている人に近づいて行ったから、最初から狙いを定めていたのだろう。
 それが少年(中学生くらい)だったのもあって油断していた。 東欧だったら、あまりに接近してくること自体が怪しいが、トルコの場合はしつこい奴が多いから、やたら接近して来ても「あー、またうざい奴だ」とスリだと思って警戒しなくなっている。
 ちなみに、カメラをすられたのに気が付いた時は既に遅く、少年は既に影も形も見えなくなっていた。

旅の出費
食費: 8.4リラ
お土産代: 2.5リラ
チケット代: 13リラ
インターネット: 2.25リラ
合計: 26.15リラ(約2,370円)

ガラタサライ対デニズリスポル
2007年2月23日(金)
ガラタサライ対デニズリスポル

 気温わずか+3度の寒風吹き荒ぶ中、ガラタサライのホーム、アリ・サミ・イェン・スタジアムで試合開始のホイッスルが鳴るのを待つ。
 周りは全てガラタサライのサポーターだ。 デニズリスポルのサポーターはわずかに10人前後で、彼らの両脇にいる警備員の方が数が多い。
 デニズリスポルの選手がピッチ上に登場しただけで、ブーイングの嵐。 逆に、ガラタサライの選手が登場すると、応援歌が始まった。

 夜8時、キックオフ。 稲本はスタメンで、センターバックだ。 今日の日記の写真、左端の赤いシューズを履いているのが稲本。
 前半は、両チーム互角。 ガラタサライも何度かゴールを狙うも、最後の決め手に欠け得点には結びつかず、逆にデニズリスポルの方が決定的チャンスの機会が多かったが、やはりゴールは割れずに前半終了。
 ガラタサライは凡ミスも多く、『え?これがUEFAカップで優勝したこともある強豪なの?』と思うほど、内容は全く面白くない。 稲本はボールを持っても、キープせず直ぐにパスを出していた。

 後半、ゴール前に攻め込んだデニズリスポルのFWからボールを奪おうとしてガラタサライのゴールキーパーが飛び出るが、パスを出され、がら空きのゴールに入れられて先制。 静まり返るスタジアム。
 試合内容もイマイチだし、このまま負けるのかな?と思っていたら、その10分後にガラタサライが同点ゴールを決めた。
 稲本は後半38分に交代してベンチに下がり、試合の方はそのままダラダラと決定力に欠けたガラタサライが攻め切れず1対1の同点で終了。

 とにかく、試合内容はパッとしないわ、むちゃくちゃ寒いわで、ストレスの溜まる90分だった。
 俺らがスタジアムを出る時には、「イナモト、ゴー・ホーム!」などと言う野次が飛んで来たが、稲本はまだマシな方だったぜ。

 サッカーの試合の方はこんな感じだったが、実は今日のメイン・イベントは他にあった。
 それは、スリ!!
 スタジアムの周辺はプロのスリたちが集団でいて、かなりやばい。 地面には空になった財布がゴロゴロ転がっているから、トルコ人たちも相当やられているようだ。
 実は何を隠そう、この俺もすられていた・・・ 旅に出て以来、初犯罪遭遇である。
 試合前のスタジアムに入る際、警察のボディーチェックがある。 その入り口がやたらと混んでいた。 確かにかなり混んでいたのだが、それでも明らかに俺にくっ付き過ぎの奴がいる。 「おいおい」と思って気を付けていたのだが、コートのポケットを再確認してみると無い!
 あの貴重な・・・
 コクヨのノートが。
 俺のこれからの予定とかを書いた、大事と言えば大事と言えなくもない、大事じゃないと言えば大事じゃないと言えなくもない、まぁどーでもいいコクヨのノートが無くなっている! 一応、スリが多いと思ってコンパクト・カメラなどの貴重品は全てコートの内ポケットに入れておいて正解だった。
 辺りを見回してみると、さっきまで散々俺を押していた男が立ち去ろうとしているところだった。 捕まえることも出来たが、現行犯じゃないから何とでもシラを切られるだろうから、無理だ。 ちなみに、地面に俺のノートが落ちていた。
 盗んでみたら、只のノートかいっ!と、ポイっと捨てたのだろう。 ま、実被害ナシでした。

 今日、サッカーを観に行ったのは同じ宿の日本人旅行者13人。 団体で、しかも日本人で目立つので「スリにノートをパクられたぞ!」と皆で再び気を引き締める。
 事件は試合が終わり、宿に帰る時に起った。
 スタジアムを出てバス停に向かっている途中、別な出口から出てきたサポーターが合流する地点が大混雑になっていた。 ただでさえ大混雑しているのに、グイグイと人混みを押している奴らがいてちょっとしたパニックになっていた。
 その時、俺の前を歩いていた日本人旅行者の1人が「スリだ!」と1人のトルコ人の腕を掴んだ。 ポケットに手を入れてきて、その手を掴んだそうだ。 こりゃ、現行犯だ。
 すかさず他の2人と俺を加えた4人で、そいつの胸ぐらを掴んで人混みの中から引きずり出す。 最初はシラを切っていたスリだが、その内に本気で逃げようと暴れだしたので、こちらも本気で地面に倒す。 俺のノートをすった上に捨てやがったスリに対する怒りが爆発した瞬間でした。 全くの別のスリだったけどね。
 倒された瞬間、亀さんポーズで守りに入るスリ。 ボコボコにしようと思った瞬間には、警官が10人以上で突撃して来て俺らとスリを引き剥がした。 スリは引きずり起こされて、押さえ付けられていた。 この時点で、最初は強気だったスリも半泣きの顔になっていた。
 ちなみにスリを引きずって地面に倒したのは、車の走る二車線道路の真ん中で、「おい、コラ!」とか「テメエ!」とか怒声は聞こえるし、辺りは騒ぎで騒然としてるので、他の日本人旅行者たちは『誰かがガラタサライのサポーターと喧嘩しているのかな?』と思っていたらしい。 助けに行くにも、彼らもスリ集団に周りを囲まれて動けない状態だったそうだ。

 英語の話す警官が出てきて、簡単に騒ぎの事情を聞いた後、スリは後ろ手に手錠を掛けられて連行されて行った。 ざま見やがれ!
 ポケットの中に手を入れられた旅行者も、ポケットの中は空っぽで実被害なし。
 今日の教訓: スタジアム周辺はプロのスリ集団がウヨウヨし過ぎ!! 目を付けられたら相当面倒だ。

旅の出費
飲み代: 3.7リラ
交通費: 2.6リラ
外食代: 3.75リラ
インターネット: 0.5リラ
合計: 10.55リラ(約950円)

バザールで売られているお茶の葉
2007年2月24日(土)
寒い・・・

 在イスタンブール日本領事館が主催する日本映画上映会が、イスタンブール現代美術館で開催中だ。
 『スウィング・ガールズ』など6本が上映されるが、『雲のむこう、約束の場所』というアニメがちょっと気になる。 12時から上映開始らしいので早目に起きたのだが、ボケーっとしている間に11時になってしまった。 「行く前に腹を満たさねば!」と思い、飯を作っている間に11時半になってしまった。 食っている間に11時40分になってしまった。
 今から行っても間に合わねーや。 諦めよっと。
 映画を観るのが今日唯一の“仕事”だったのに、観れなくなった為、やる事がなくなった。

 一応、外出してみたものの、あまりの寒さにびびった。 昨日から気温がグッと下がってメチャクチャ寒い! TVの天気予報を見ていたのだが、トルコの東にある地方では−20度だった・・・ 中央アジアを通るのって自殺行為のような気がして来たぞ。

 今日の写真は、エジプシャン・バザールにあるお土産屋さん。 お茶の葉を種類別に売っている。

旅の出費
食費: 1.5リラ
雑費: 4.5リラ
お土産代: 8リラ
合計: 14リラ(約1,270円)

エジプシャン・バザールのお店
2007年2月25日(日)
教義に忠実

 今日が日本映画上映会の最終日。
 今日こそは観に行くぞ!と思っていたのだが、段々面倒になって来た。 だって昨日観に行った人たちが『雲のむこう、約束の場所』がイマイチだって言うから。
 それに、考えたら今日は日曜日で休日です。 1週間の内で何もしなくても良い日に仕事をするのは、教義に反しますから。 他の旅行者に「アヤ・ソフィアに行かないか?」と誘われたが、断りました。 だって、日曜日だから。

 計算してみると、今日でイスタンブールに来てから2週間が過ぎた。 実は、イスタンブールってUNESCOの世界遺産に登録されてるらしいよ。 知ってた?
 この2週間、1度もガイドブックに載っているような有名な建物に入っていない。 これはマズイかもな・・・
 来週の仕事は、1日1ヶ所観光! 自分自身に課した厳しい課題として、来週は頑張ります。
 来週は寒くないといいな。 寒いと外に出るのも嫌になるんだよねぇ・・・

旅の出費
食費: 18.4リラ
合計: 18.4リラ(約1,670円)





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