アフリカ大陸縦断旅行日記
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2006年2月27日(月) |
風邪薬でトリップ |
風邪、悪化してます。 咳ゴホゴホ、鼻水ダラダラ。
それを見かねたのか?宿のおばあちゃんが、俺をお外に連れ出す。 そして、いきなり道端に生えてくる草をムシャムシャと食い始めた。
へー、このおばあちゃんって草食動物なんだぁ〜と思っていると、出た!!「お前も食え」。
ジェスチャーから読み取るに、咳止めになるみたいだ。
でも、なんだか埃かぶって、ばっちーよ? しかし、おばあちゃんはニコニコしながら既に2枚目の葉っぱに触手を伸ばしている。 なぜかギャラリーも出来上がっており、食わないといけない雰囲気に。
俺の一挙一動を見守るおばあちゃんとギャラリー。
嫌々、一番小さめの葉っぱをちぎってパクッ。 ゲー!! すっげー苦い!! 確かに苦過ぎて咳は止まりそうだけど、お腹壊しそうだぜ。
町の薬局で薬を買ってきた。 ショッキング・ピンクの色した、いかにも体に悪そうな薬だ。
夕食を食べ終わってから、薬局のお姉ちゃんの言葉通り2錠飲む。
しばらくすると、体がフワフワと浮いているような感じがしてきた。 目を閉じると、宇宙の中でグングンと自分が巨大化していったり、逆にミクロになっていく。
あれ? これ、本当に風邪薬? エクスタシーじゃないよね? けっこうトリップ気味なんですけど。
さらに寝てしばらくすると、異常に大量の汗をかいていてビックリした。 Tシャツとかびしょびしょだし、ベッドシーツも汗で濡れちゃって大変なことになってる。
この薬、本当に大丈夫なんだろうか? 薬のカバーの裏を見ると、消え入りそうな薄さの文字が見える。
ナイロビ製の薬らしい。 さらに『大人は1錠』って書いてあった・・・ どーなんでしょ?これ?
写真は、ブタレのメイン通り。
旅の出費;
宿代(1泊分): 4,000ルワンダ・フラン
外食代: 6,100ルワンダ・フラン
日用品: 2,000ルワンダ・フラン
風邪薬: 300ルワンダ・フラン
インターネット: 800ルワンダ・フラン
合計: 13,200ルワンダ・フラン(約2,770円)
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2006年2月28日(火) |
ブタレで撃沈 |
風邪薬でトリップした甲斐も虚しく、死んでます。
う〜む、まいった。 昨夜、自分でも驚くほど汗をかいたのに、水シャワーを浴びるわけにもいかない。
今日中に首都キガリに移動しようかと思ったが、やはり移動は明日に延ばすことにした。 緊急処置でブタレ一の高級ホテルに宿を移す。 しかし、高い・・・
お湯に浸かった後は、1日中寝ていた。
どんなに調子が悪くても、明日にはキガリに移動して病院に行こう。 さらに体調が悪くなってから今日で5日目になるので、熱帯熱マラリアの可能性を考えてコーテクシンを服用し始める。
マラリアには、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア、熱帯熱マラリアなどの種類があるが、熱帯熱マラリアの場合は感染から5日以内に治療を開始しないと、腎不全を併発して死亡する。
脾臓も腫れていないし、症状からはマラリアとは思えないけど、一応保険で。
写真は、ルワンダの風景。 標高が高く、年平均気温は24度で過ごし易いが、山間部の頂上付近に行くと一気に10度前後まで下がるそうだ。 最高地点はカリシムビ(Karisimbi)の標高4,507mで、富士山より高い。 今日も、ジャンパーが必要なくらい寒かった。
旅の出費;
宿代(1泊分): 15,000ルワンダ・フラン
外食代: 4,200ルワンダ・フラン
日用品: 1,150ルワンダ・フラン
バイク・タクシー: 200ルワンダ・フラン
合計: 20,550ルワンダ・フラン(約4,310円)
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2006年3月1日(水) |
首都キガリ到着 |
最近体調があまりよろしくないのも手伝って、俺のイライラ度は80%に達し、早くカルシウムを補充しないと爆発寸前の危険な状態だ。
まず、ピグミーがいねーよ!! かれこれブルンジとルワンダに10日間もいるが、ピグミーを見掛けたのはブルンジで検問してたピグミー警官1人だけ。 ん?もしかしてピグミーたちは俺を困らせるために、わざと隠れて嫌がらせしているのか? 収穫物の交換してやんないぞ。
続きまして、そのA。 人のことジロジロ見てんじゃねーよ!! 日本だったら間違いなくケンカ売ってるぜ。 まぁ、ブルンジやルワンダはまだ人が良いのか(?)、こっちもジーっと見返すと慌てて視線をそらすか、小さく「ゃぁ」程度にちょこっと手を上げてくるからまだ多少はマシだが、それでもイラつくんだよ! 南アを出て以来テメーら俺を見過ぎだろっ! 金払え!!
そのB。 停電し過ぎ!!
そのC。 断水し過ぎ!!
最後に、そのD。 ゴリラ・トレッキング高けーよ!! 375USドル(約4万3千円)は高過ぎだろー。 しかも、標高4,000m級の山々を縦走しないといけないなんて、大変じゃない? ホテルで待ってるから、俺の部屋までマウンテン・ゴリラを連れて来てくれないかな?
ゴリラ筋の話によると、トレッキングにはアウトドア仕様の装備が必要らしく、全装備の半分以上をデジタル機器が占めるような俺のインドア仕様の装備では無理らしい。
ブタレ滞在6日目にしてようやく移動。
ちなみに東アフリカ一の充実度を誇る国立博物館には、6日もいたのに行ってないぜ。 どーせ、槍とか盾とかだろ?展示してあんのって。
約2時間で首都キガリに到着。
宿で2週間ぶりに旅行者に会った!! アメリカ人とイギリス人の2人組。
久しぶりに夜までお喋りしたぜ。
あっ、病院行くの忘れた。
旅の出費;
宿代(1泊分): 6,000ルワンダ・フラン
外食代: 3,750ルワンダ・フラン
バス(ブタレ→キガリ): 1,000ルワンダ・フラン
バイクタクシー: 200ルワンダ・フラン
インターネット: 600ルワンダ・フラン
合計: 11,550ルワンダ・フラン(約2,425円)
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2006年3月2日(木) |
ホテル・ルワンダ |
宿が一緒のパトリックとデービッドと3人でホテル・ミルコリン(写真)に行く。
ホテル・ミルコリンは、映画『ホテル・ルワンダ』の舞台となったホテルで、キガリ一の高級ホテルだ。 見た目は日本の温泉旅館だけどな。
パトリックとデービッドはここのプールで泳ぐらしいが、俺は風邪を引いているからプールサイドで昼食を食うだけにした。
さーて、何を食うかな?とメニューに目を通す。 体調が良かったら、あれ?スパゲティの値段が俺の今のホテル1泊分と変わらないじゃん、と気付いたかも知れないが、なんせ風邪を引いてるものですから。
カルボナーラを注文し、さらに行きかけたウェイトレスを呼び止め、食後のデザートにコーヒーアイスクリームを頼む。 ちなみにカルボナーラも、アイスもなぜか値段はほぼ一緒というのが訳分からん。 それを注文する俺はもっと訳分からん。
迷ってたんだけど、やっぱりマウンテン・ゴリラを見に行くことにした。
考えたら、キリマンジャロにも登るつもりだったのが、結局登ってないし、これでゴリラも見に行かなかったら勿体無いかな?とちょっと思ったのだ。
突然だが、ウガンダ人の顔がゴリラらしい。
だから『そんな4万円も出してマウンテン・ゴリラを見に行かなくても、2千円のビザ代払えばウガンダ・ゴリラをうんざりするほど見れるからいいんじゃね?』と思っていたのだが、やっぱり本物のマウンテン・ゴリラを見た方がいいに決まってる。 ウガンダ人の写真を友達に見せて、「ほら、これが野生のゴリラだよ」と言っても、友達が10人中10人納得してくれるとは思えないし。 良くて7、8人だな。
旅の出費;
宿代(1泊分): 6,000ルワンダ・フラン
外食代: 4,200RFr+20ユーロ
雑費: 500ルワンダ・フラン
インターネット: 2,200ルワンダ・フラン
合計: 12,900RFr+20ユーロ(約5,170円)
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2006年3月3日(金) |
トレッキング申込 |
今日はすっげー金使ったぞー!!
だって、ゴリラ・トレッキングを申し込んじゃったんだもーん。 来週の月曜日に、3,000〜4,000m級の7つの火山が連なる『Parc National
des Volcans』でマウンテン・ゴリラとじゃれ合って来ます。
久しぶりにアウトドア。
マウンテン・ゴリラへの負担を考慮して、1日にトレッキングに参加出来る人数は30人までに制限されている。
申し込みはツーリストオフィスを通して行い、トレッキングには武装したガイドが付く。 ガイドが武装しているのは、ゴリラが危ないんじゃなくて、人間のゲリラ。 ゴリラはベジタリアンなので良い子です。
やはり世界に野生のマウンテン・ゴリラが700頭しかいないという希少性が、強気の料金設定にさせているんだろうな。 ゴリラをビデオカメラで撮ろうとしたら、まず5,000USドル(約60万円)を払って、さらに1日3,000USドル(約35万円)だってさ。 1日で新車が買えるぜ。
トレッキングに行くためのカッパを購入したり、体調を万全の状態にしておくため病院に行って薬を貰ったりしていたら、金がアッと言う間に飛んで消えた。
病院に行って診察してもらった結果、やっぱり風邪でした。
写真はルワンダ製石鹸のパッケージ。 これがルワンダ的美人なのか?
旅の出費;
宿代(1泊分): 6,000ルワンダ・フラン
外食代: 4,900ルワンダ・フラン
カッパ: 5,000ルワンダ・フラン
病院: 6,230ルワンダ・フラン
お土産: 6,400ルワンダ・フラン
インターネット: 1,350ルワンダ・フラン
バイクタクシー: 1,400ルワンダ・フラン
ゴリラ・トレッキング: 350USドル+15,000RFr
合計: 46,280RFr+350US$(約49,840円)
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2006年3月4日(土) |
集団心理の怖さ |
バイクタクシーに乗って、キガリの町外れにある虐殺記念館『キガリ記念センター』に行く。
先週行った『ムランビ記念センター』では防腐加工された人間の死体をたっぷり見たが、ここも辛い。 行く前にスパゲティは食っていかない方がいい。
そんなに頭割れてるのに、生きれるの?!的写真や、それは何をされてそんな傷になるの?!的写真があって衝撃的だ。
大虐殺当時の写真や映像は、死体を見るよりも正直えぐい。 病んでます、かなり。
2階は『Lost Tomorrow』と題して、子供の写真が何枚も展示されてある。 フィレットちゃん2歳は、壁に打ち付けられて殺害されたそうだ。 その他、撃たれ、ナタで叩き切られ、ナイフで目をえぐられ、こん棒で殴り殺され、手榴弾で粉々にされた子供たちの生前の写真がこちらを見ている。 生後9ヶ月の子供まで殺されているのには閉口した。
ナタで頭をかち割られた写真は相当キツイよ!
簡単にルワンダ(ブルンジもほぼ一緒)の歴史を説明すると、江戸時代の頃に北のエチオピアかスーダンの方から狩猟民族のツチ族が南下して来てルワンダにやって来た。 そして、元々その地に住んでいた農耕民族のフツ族や、ピグミーを征服して王国を建設する(ルワンダ王国、ブルンジ王国)。
ここに支配者であるツチ族と、被支配者であるフツ族との立場が確立されたのだが、ドイツ、ベルギーの植民地時代を経て、1959年にフツ族の多数支配を目指す『農民革命』が起こり、1961年に国民投票で王制は廃止される。 その前後からフツ・ツチの対立・抗争が激化し始める。
多くのツチ族が難民化して、隣国のコンゴやタンザニア、ウガンダなどに逃げたが、1990年10月1日に隣国ウガンダからツチ族主体の武装組織『ルワンダ愛国戦線(RPF)』がルワンダに侵攻し内戦が勃発。
直ぐにフツ族主体の政府軍を援助するため、フランス、ベルギー、コンゴがルワンダに軍を派遣する。
政府軍の他に、フツ系民兵組織『インテラハムウェ』も組織され、問題の“最終解決手段”としてツチ族の抹殺がバゴソラ大佐の下で計画実行された。
@道路を封鎖し、検問で見つけたツチ族は殺す
Aツチ族の家に押し入り殺す
BRPFとの戦闘でツチ族を殺す
1994年の大虐殺には、コンゴ軍も関与していたらしいし、政府軍、『インテラハムウェ』に軍事訓練を施していたのはフランス軍だったことからも分かる通り、国際社会は大虐殺を黙殺する。
ウガンダのサポートを得ていた(とされる)RPFが内戦で勝利し、フツ系政府軍、民兵組織『インテラハムウェ』はコンゴ領に敗走。 内戦終結と共に、100日で100万人が殺された虐殺はようやく終焉に向かう。
ちなみに現ルワンダ大統領は、RPFのカガメだ。
現政権でもフツ族とツチ族の権力闘争があるらしく、現状では実権はツチ族が握っているらしい。 2000年には権力闘争の末、カガメがツチ族として初めて大統領に就任している。
大分政情は落ち着いてきているルワンダだが、つい10年ちょっと前に起こった大虐殺での憎悪が新たな報復を誘い、いつ同じような形で爆発しないとも限らない気がする。
色々なえぐい写真や映像を見て、集団心理って怖いなと思った。 1人ではそんな事をする度胸はないくせに、集団になると出来てしまう怖さ。
民度が低ければ低いほど、集団行動の質レベルも比例する。
『皆がやっているから』という善悪判断の鈍りと、『俺だけじゃないから』という責任所在の曖昧さに便乗するのは、弱い人間がやることだ。 自分の行動全てに責任を取れる人間は、長いものに巻かれろ的な考え方はしない。
今回、虐殺、人殺しそのものよりも、そこに至る人間の心理状態を考えたら寒気がした。 集団行動しか出来ない人間は皆、道を間違えれば宮崎勤や酒鬼薔薇になり得る可能性を秘めているということか?
口では『個』を叫ぶが、実際には集団の中でしか行動出来ない人間が多い我が日本にも一抹の不安を感じる。
首都キガリを出て、コンゴ、ウガンダとの国境近くにあるルヘンゲリ(Ruhengeri)に移動する。
ルヘンゲリの宿は、キガリの宿の半額にも関わらずシャワーから水が出る! し、しかもお湯も!! 超すげー! 感動した。 もう1日バケツ一杯の水が配給される生活にはウンザリだぜ。
ちなみに、ルヘンゲリの宿で水しか出なかったら寒くて死ぬと思う・・・
旅の出費;
バイクタクシー: 900ルワンダ・フラン
バス代(キガリ→ルヘンゲリ): 1,000RFr
外食代: 5,400ルワンダ・フラン
飲み代: 2,000ルワンダ・フラン
宿代(1泊分): 3,500ルワンダ・フラン
合計: 12,800ルワンダ・フラン(約2,650円)
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2006年3月5日(日) |
シェアする人募集 |
ゴリラ・トレッキングに375USドル(約4万3千円)も払ったのに、トレッキングのスタート地点であるキニギ(Kinigi)までは自力で行かないといけないのが納得出来ん。
ルヘンゲリからキニギまでは、公共の乗り物がない。 時間の制約がなければヒッチハイクで行ってもいいが、朝7時にキニギに間に合わなかったら375USドルがパァーになると思うと、さすがに躊躇する。
今日は洗濯をどっさりと片付けた後は、明日のキニギまでの足を確保するべく、ルヘンゲリの町中をウロウロする。
ツーリストオフィスに行って聞くと、四駆を1日レンタルして50USドル(約5,750円)掛かるらしい。 高い!! 「歩いて行けない?」って聞いたら、いとも簡単に『無理だね』って言われちゃった。
そこで、町中で見かけた白人に片っ端から声を掛ける。 ルヘンゲリはルワンダ一外人率が高い(と思われる)ので、見付けるのは簡単だ。
ところが中々“明日行く”という人が見付からない。 夕方まで声を掛けまくって、ようやくベルギー人のカップルとシェアすることにした。
3人で割れば、まぁまぁだ。
写真は、大虐殺当時。 死体だらけ。
旅の出費;
宿代(1泊分): 3,500ルワンダ・フラン
バイクタクシー: 600ルワンダ・フラン
タバコ: 20ルワンダ・フラン
外食代: 10,400ルワンダ・フラン
合計: 14,520ルワンダ・フラン(約2,990円)
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