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アジア横断シルクロード旅日記


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キジル千仏洞 in クチャ
2007年10月15日(月)
キジル千仏洞

 クチャ観光のハイライトである『キジル千仏洞』に行って来た。 昨日の『亀茲故城』だけでクチャ観光を終えてしまっては、クチャに来た意味がないに等しい。

 『キジル千仏洞』へ行く公共交通機関はないので、昨日のうちにタクシーをナンパしておいた。
 何台か人の良さそうな運転手に声を掛けて、結局150元(約2,370円)で『キジル千仏洞』と『スバシ故城』の2ヶ所に行ってくれるタクシーに決めておいた。

 朝、指定した時間通りに宿に迎えに来たタクシーに乗って、まずは『キジル千仏洞』に向かう。
 途中の景色がまた良かった。 背の高い木が全く生えていないゴツゴツとした岩山がそそり立っている。 その岩山の形が、低い場所では丸みを帯びているが、高くなるほど剣のように鋭くなる。
 ここを自分で四駆を運転して走ってみたいな、と思ったのはカラコルム・ハイウェイに次いで2度目だ。

 往復で150元も掛かることに納得したほど、かなりの距離を走って『キジル千仏洞』(写真)に到着。
 『キジル千仏洞』は、亀茲国時代の仏教遺跡だ。 断崖に合計237の石窟が掘られており、石窟の内部には壁画が残っている。
 実際に来て見て少し残念だったのは、大部分がコンクリートに覆われていたこと。 周りの岩山の色と合わせているので、写真で見た時は気が付かなかったが、実際に間近で見てちょっとガッカリした。
 それでも、150元を出して来た甲斐はあったかな?と思う。 今までずーっとイスラム遺跡を見てきたのが、急に仏教遺跡に変わった“目新しい”感もあるとは思うが。
 ここに来て、久しぶりに“中国人”という民族がどんな民族であるのかを思い出した。 石窟の内部(場所によってはコンクリートで塗られているが)に、自分の名前と来た日付を彫っている奴が多い。 12年前に万里の長城に行って、あまりに名前を彫っている(要は落書き)奴が多いので、「世界遺産なのに?!」と驚いた記憶があるが、ここでもそうだった。
 どこでも痰を吐くのと同様、民度が低い証拠だろう。

 『キジル千仏洞』の次は、『スバシ故城』へ行った。
 ここも亀茲国時代の仏教遺跡で、三蔵法師の『大唐西域記』(『西遊記』のモデルになった旅行記)に出てくる『アーシュチャリア寺』と考えられている。
 東寺区と、西寺区と分かれているが、西寺区だけに行った。 でも、西寺区から見た東寺区の景色の方が、後方の雄大な山々と相まって良さ気に見えた。
 遺跡の崩れ具合が、トルクメニスタンのマーリブ遺跡っぽくて、遺跡好きにはウケるだろう。

 今日は、久しぶりに本格的に観光しちゃった。

旅の出費
食費: 2.5元
外食代: 16元
入場料: 60元
タクシー代: 150元
インターネット: 4元
合計: 232.5元(約3,670円)

スバシ故城
2007年10月16日(火)
移動日

 ちょっと面倒くさいから、クチャにもう1泊しちゃおうかな?と悩んだが、結局は移動することにした。
 夜行寝台バスに乗って、新疆ウイグル自治区の区都ウルムチに向かいます。

 予定では、遅くとも10月20日には敦煌入りしているはずだったのに、気が付けばもう16日。
 カシュガルからウルムチまで1ヶ月も掛かってしまった。 直行列車に乗れば23時間で来れるのに・・・ このスピードでは沿岸部に出るまでにあと何ヶ月掛かるか分からないので、嫌でも移動しないと。

 夜行バスが夜の8時発なので、時間がたっぷり。
 チェックアウトぎりぎりの昼12時まで寝て、午後はずーっとインターネット。 1時間2元(約30円)だから、4時間もやってしまった。 それでも120円だからね。
 タイ株をオンラインで見てたけど、なんだか市場全体で取引高が異様に少ないんだけど・・・ YUASA株なんて、今日の取引はゼロ! 知らない間に買っていて、持っていることすら忘れていたTASCO株は全部無事に売り抜けた。
 タイの経済って、今はどーなってるんですか?
 クーデターが起って、外国人投資家が逃げたのかな? 情報が全くないから分からん・・・

 ちなみに、俺を“株売買をしながら儲けて旅行している人”だと思ったら大間違い!
 超赤字です! エッヘン
 なんか知らないけど、SSI株を2005年2月に4万株も買ってるんだよねぇー。 それが今や!株価が購入時から69.32%も下がっていてとんでもないことになってます。 まぁ単純に、100万円だったものが、今や30万6800円ってことだ。
 一時は10%くらい値上がりしてたんだけどね・・・ アフリカを北上中でネット環境が悪かったから、売れる状況じゃなくって、その後はすっかり持っていることすら忘れていたら、今じゃこんなことに・・・

 ウルムチに旅立つ前に、ブルーになってしまった。

旅の出費
タバコ: 3元
食費: 9.4元
外食代: 22元
市バス代: 0.5元
インターネット: 8元
バス代(→ウルムチ): 145.6元
合計: 188.5元(約2,970円)

ウルムチ
2007年10月17日(水)
世界の中心

 ウルムチに着いた。
 ここは高層ビルが乱立する大都会だった(写真)。
 田舎ばかりを旅行して来た俺は、高層ビル群を見上げて危うくちびりそうになったが、すかさず「5858000(ウーパーウーパーリンリンリン)!」とおまじないを唱えて事なきを得た。
 チーパーチーパーチーチーチー

 “ウルムチ”とは、モンゴル語で『良き牧場』の意味を持つらしいが、素人の俺が見た限りで言っても牧場としては良くない場所だろー。 こんな場所に牛は住めないぜ。
 ここにはウイグル人、カザフ人、漢人など34の諸部族が住むが、漢人が他の民族よりも圧倒的に多い。
 また、ウルムチは「世界で最も海から遠い都市」と言われているらしい。 ホントかよ?!と思って、パソコンに入っている地図ソフトを使って測定してみた。 中国国内で言えば、渤海に面する天津がウルムチに一番近く、直線距離にして約2,520km。 国外も入れれば、一番近い海はバングラディッシュのベンガル湾で、約2,310km。 西側で一番近い海は黒海で、約3,660km。 北側で一番近い海は北極圏のカラ海で、約2,660km。
 んー・・・世界で一番内陸にあるのか?
 まぁ、皆が言ってるし、地図にもウルムチ郊外に『ユーラシア大陸の中心地』と書いてあるから、そういうことにしておいてやろう。
 そんなわけで、俺は今ユーラシアの中心にいる!
 らしい・・・

 こんな大都会に来たからには、まずやっておくべきことがある。
 そこで、俺がウルムチに来て初めてやったことは・・・
 DVD買っちゃった!
 今日買ったのはねぇー、『アンフェア』。 主演は篠原涼子で、他には江口洋介とか出てるみたいね。 公開は2007年って書いてあるから、けっこう新しい映画っぽい。

 DVDのパッケージには、目玉焼きにまゆ毛3本の某テレビ局のマークが。
 「あー、フ○テレビねぇ」と、危うくマークだけで判断してしまうところだった。 危ない、危ない・・・
 マークの下にはしっかりと日本語で、『フブデレビ』と書かれていた。

 今日で、ケープタウンを発ってから21ヶ月が過ぎた。 この1ヶ月間で使ったお金の合計は、49,020円。
 そして、この1ヶ月間でカシュガルからウルムチまで移動して来た。

旅の出費
雑費: 5元
タバコ: 3元
DVD: 10元
外食代: 12元
市バス代: 1元
宿代(3泊分): 105元
合計: 136元(約2,150円)

羊の丸焼き
2007年10月18日(木)
スーパー・スクラブ

 今日はウルムチ市内を散歩してみた。
 高層ビルの間に伸びる繁華街『新華北路』を歩いて、新彊国際大バザールまで行った。
 やはり都会だけあって、繁華街沿いには色々なお店が軒を並べ、何でも揃いそうな感じだ。 冬服もバリエーションが多く、値段も安い。 ウルムチに来るまで買わなくて良かったぁー。

 通りを南下して行くと、徐々にウイグル人比率が高まっていく気がした。
 道路脇の屋台でも、ヤギだか羊だかの丸焼きが売られていたりする(写真)。
 顔面まで丸焼けじゃない!

 ・・・

 美味しそう・・・か?

 ちなみに、今日の散歩のゴールは『新彊国際大バザール』である。
 これはイスラム建築っぽい建物を建てて、「規模においてイスタンブールのグランド・バザールを超えた」と自画自賛している程度の、バザールというよりもショッピング・センターである。
 まぁ、グランド・バザール自体が「そんなにデカかった?」と思う程度なので、過度の期待は禁物だ。

 どんな内容の店が入っているのか?チラ見したが、正直言って大した店が入っていなかったので、結局フランス系スーパー『カルフール』で買い物をしただけで帰ってきた。
 日本に帰る直前ともあって、ここ最近は色気づいている俺。 『カルフール』で、メンズ・ビオレを買っちゃいました!
 なんか他の中国製洗顔料よりも高くて、20元(約315円)もしちゃった。 でも、中国のわけ分からん『花男士』とかいうブランドの洗顔料を買って、中身が段ボール肉まんだったら嫌じゃない?
 ミクロ・スクラブで日本に帰ります!

旅の出費
食費: 6.25元
外食代: 19元
市バス代: 1元
生活用品: 37.9元
合計: 64.15元(約1,010円)

全く風情のない『民族風情街』 in ウルムチ
2007年10月19日(金)
冬支度完了

 今日はショッピングに出掛けた。
 昨日歩いた『新華北路』沿いで、衣類店が固まって並んでいる場所を見付けてあったので、今日はそこに直行。

 ウインドウショッピングというものが苦手な俺は、一番最初に入った店でいきなりジャケットを買ってしまった。 一応、その店では色々と試着したりして買ったけどね。
 『Meters/bonwe』とか言う、上海辺りでは調子に乗っている(らしい)お店で、0度前後までなら頑張れそうな程度のジャケットを449元(約7,090円)で購入。 氷点下10度くらいまで下がるような状態になったら南に逃げるから、モコモコの極寒仕様のダウンジャケットは買わなかった。
 値段がちょっと高いかな?とも思ったが、やはり値段と物は比例していて、安いものは厚みペラペラで防寒効果が低そうだったり、デザインがいまいちだった。

 一度金を使ってしまうと、一気に財布の紐がゆるくなってしまうクセがあり、危うく他にも何枚か服を買ってしまいそうになったので、宿に緊急避難。
 その後は食事以外は外出もせず、宿でひたすらダウンロードに精を出した。
 ちなみに、今の宿は無料で自分のパソコンを繋げてインターネットが出来るんです。
 やるじゃねーか、中国!

 写真は、石碑に『民族風情一条街』と書かれているのだが、近未来的なんだか、古臭いんだか分からないようなセンスのビルが建ち並ぶウイグル人街。

旅の出費
食費: 27元
タバコ: 12元
外食代: 17元
ジャケット: 449元
合計: 505元(約7,970円)

フレーム
2007年10月20日(土)
トルコ以来の日本語使い

 もう少しウルムチにいて、ダウンロードに精を出しても良かったのだが、何気に中国ビザの有効期間の3分の1を消化してしまっており、あと2ヶ月弱しかいれない。
 そのくせ、未だに新疆ウイグル自治区から出ていないのもどーかな?と思い、気合で移動。
 ウルムチからバスで約3時間、トルファン(吐魯番)という町に来た。

 トルファンは、天山北路と天山南路が分かれる分岐点。 世界でも有数の低地であるトルファン盆地にあり、真夏には酷暑が続いて『火州』と呼ばれたりしているらしい。 最高気温の記録は46度だそうだが、この時期は過ごしやすい。 夜はジャケットがないと寒いが、日中はTシャツで充分だった。
 ちなみに、真冬になってしまうとこれまた寒いらしい。 最低気温の記録は−28度だそうだ。

 宿は、大抵どこの町でもバス・ターミナルの隣にある“お馴染み”『交通賓館』にした。
 バスを降りた時から、日本語を話す客引きがずっと俺にくっ付いてきて、「シルクロードのメジャーどころに来てしまった」と実感。
 トルファン1日観光を斡旋する客引きは、けっこう日本語が上手で驚いた。
 基本的に、海外で日本語を話して日本人観光客相手に商売していたら、料金が高いことはあっても安いことはありえない。

 最初から日本語使いに斡旋してもらう気がない俺は、相手が何を言おうと「他で行くから、行かないよ」と何度も断っていたのだが、奴も中々しつこい・・・
 終いには「なんで? どうして?」と質問攻めにあう始末。 よろしい、理由を知りたいのであればお答えしよう!ということで、心優しい俺はわざわざ説明してあげた。
 まず、値段が中国人の相場よりも2倍近く高い。 日本語ガイドが付くわけでもないし、タクシーに乗る乗客が日本人であるから、中国人であるから、という理由だけで値段が2倍近く違うのは不当である。
 それから、あんたしつこいから嫌い。 仮に同じ高い値段で行くとしても、あんたじゃない人に頼む。
 最後に、俺よりも先にトルファンに来ていた知り合いが言っていたけど、あんた嘘をついたらしいね。 嘘をつく人間とは1元たりとも取引をしたくない。
 と、説明したわけです。 ところが悲しいかな、奴らのオフィスは『交通賓館』の2階。 しかもずーっとホテルのロビーでブラブラしているので、しょっちゅう顔を合わせてしまう・・・ 顔を合わせる度に、「明日、行かない?」
 うざいっ! その繋がってるまゆ毛もうざいっ!

 まぁ、夕方から町をプラッとしただけだけど、日本語使いの2名を除けばトルファンの町自体は普通でした。
 噴水に映写機でテレビを映していて(写真)、「見辛いのに、何でやるの?」的な無駄だけどちょっと変わったことが好きな中国人の一地方都市でした。
 そして、そんな噴水の前で記念撮影をするカップル、酔っ払いなど、意味不明なスポットで記念撮影をするのが好きな中国人の一地方都市でした。

 ちなみにウルムチでは、高速道路の上に架かる高架橋で、団体(!)で記念撮影をしている中国人のオッサン集団がいたけど、あれも異様な光景でした。
 前列はしゃがんで、真ん中は中腰、後列は立って、すっごい団体写真なんだけど、場所はバスや自動車がバンバン走っている道路の歩道・・・
 あの絵はかなりシュールで、写真に撮りたかった。

旅の出費
外食代: 26元
市バス代: 1元
宿代(2泊分): 50元
バス代(→トルファン): 41元
合計: 118元(約1,860円)

フレーム
2007年10月21日(日)
ミイラ

 今日の仕事は、トルファン近郊の1日観光ツアーにどう行くのか?決めてしまうこと。
 町中をブラブラ歩いてみたが、意外と旅行代理店が少ない。 そこで、『吐魯番賓館』という大き目のホテルに行ってみた。 ここのドミトリーの値段を聞いたついでに、「このホテルに旅行代理店って入ってる?」と聞いてみた。
 すると、毎日朝9時にホテルのロビーに集合すれば行ける1日ツアーがあるらしく、料金は60元(約950円)。 あーら、普通の料金じゃない!
 こういうツアーがあるって知っていれば、日本語使いにも「吐魯番賓館のツアーで行くから結構です!」と具体的に断れたのに・・・
 明日は、この吐魯番賓館のツアーに参加します。

 インターネットでニュースを見ていたら、『新彊ウイグル自治区で新たにミイラを発見』というニュースを見た。
 アクスという町で、地中から人間の手が出ているのを農民だか工員が発見! 慌てて掘り出してみたところ、ミイラが出てきたので、警察に連絡したらしい。

 へー、ミイラが出てきたんだ。

 ん? 何かが引っ掛かるなぁー・・・
 普通、人間の手が地面から出ていたら、掘り起こしますか?
 もし・・・もし俺の場合なら、人間の手が地面から出ていたら、他殺の可能性を考える。 「あれぇ?! 間違って埋まっちゃったのかな? 早く助けなきゃ!」とは思わないかなぁー、残念ながら。 だから、まずは警察に連絡するのが先。 だって、下手に掘り起こして面倒なことになったら嫌だし。
 それなのに! 慌てて掘り出したらミイラだったから警察に連絡しただぁー?! 順番が逆だろ?!

 そんなニュースを読んだら、何だかミイラが見たくなってきた。 料理番組を観ていたら、何だか急に親子丼を食べたくなると一緒である。
 そこで市内にある『トルファン博物館』にミイラを見に行った。 
 けっこうリアルに残ってるんだね・・・
 大人のミイラが8〜9体、子供のミイラが2体置いてあったが、かなり気持ち悪い。 朝起きたら、4人部屋ドミトリーの自分以外の3人があいつらだったら絶対に嫌だ。 直ぐにチェックアウトするね!
 4、5枚ほど写真を撮ったのだが、子供のミイラだけは写真を撮ることすら躊躇するほどリアルに気持ち悪い。

 そんなわけで今日の写真はミイラではなく、博物館に展示してあった昔のブーツの写真にしました。
 昔の人もこんなのを履いていたんだね。 けっこうカワイイじゃない?

旅の出費
食費: 3元
外食代: 17元
入場料: 20元
インターネット: 2元
合計: 42元(約660円)





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