久しぶりにオシュ・バザールに行った。
バザール内をウロウロしたついでに、両替をすることにした。 実はオシュ・バザールの両替所はビシュケク市内で一番レートが良い。
ただ、毎回トラブルが起こるので多少レートは悪くてもオシュ・バザール以外で両替した方が無難というのが一般的な意見だ。
そして、俺もその意見に同意する。
今までに2回オシュ・バザールで両替したことがあり、今日は今までとは違う両替屋で両替してみたが、結論はオシュ・バザール内の両替屋はどこもカスである。
奴らは“アフガン・マジック”を使う。
例えば、今日の為替レートは1USドル=37.8ソムだった。 100USドルを両替しようとしたので、俺の受け取る額は3,780ソムになる。 俺は20ソムを彼らに渡し、「3,800ソムをよこせ」と言った。
キルギスには1,000ソム札があるのだが、オシュ・バザール内の両替屋は必ず200ソム札や100ソム札で渡してくる。 なぜなら、細かいお金で渡した方が客が数えづらいからである。
今回も100ソム札で出してきた。
相手は、俺の目の前でお札を38まで数えポンッと俺の前に差し出した。
ところが俺が数えてみると、37枚しかない。
「おいおい、足りないですよ」
エッと驚いたような、鼻くそレベルな演技をしながら相手は「もう一度数える」と俺からお金を奪い取った。
そして、もう一度俺の目の前でお札を37まで数え「あー、足りなかったね」と、わざとらしく1枚足して再び俺の前に差し出した。
ちなみに、いつも相手が数えている時は俺はボーっと他の場所を見ている。 どうせインチキをするのだから、見ていても無駄である。
再び差し出されたお金を数えてみると、あらまぁ〜28枚しかない。
これがアフガン・マジックである。
多分、彼が数えているのを一生懸命に見ていたとしても気付かなかったであろう。 だから、最初っから見ておく必要などないのだ。 必ず“毎回”自分で数えるのが鉄則である。
「おやおや、もう10枚足りませんよぉー」
指摘すると、相手は俺のドルを両替することを諦めた。 「他に行ってくれ」と言う。
なぜか?と言うと、オシュ・バザール内の両替屋はインチキをするから他よりも良い両替レートに設定している。 だから表示しているレート通りに、きちんと客に渡していたら儲けが少ないのだ。
結局、他の両替屋で1USドル=37.7ソムで換えた。 そこは500ソム札で渡してきたので、計算が簡単だったし、一発でちょうどの額を渡してきた。
ちなみに、ウズベキスタンの最高額紙幣は100円以下のため、1万円を両替するとかなりの厚みになり数え難い。 たまに10円札で1万円分を渡そうとする輩もいるので、一言「お前は馬鹿ですか?」と聞いてあげよう。
かなり面倒だが、ウズベキスタンでもお金をきちんと数えないと、80%の確率で足りていない。
国立銀行と言えど、信用してはいけない。 わざとお金を抜いて渡すから。
『疑心暗鬼』
素敵な四文字熟語である。
旅の出費;
食費: 65ソム
バス代: 8ソム
タバコ: 290ソム
ビール: 140ソム
生活用品: 35ソム
合計: 538ソム(約1,710円)
|