
ケープタウンの治安
| 南アフリカ警察(SAPS)発表・犯罪統計 |
| 犯罪カテゴリー |
1994 |
1995 |
1996 |
1997 |
1998 |
1999 |
2000 |
2001 |
2002 |
2003 |
| 殺人 |
25,965 |
26,877 |
25,470 |
24,486 |
25,127 |
22,604 |
21,758 |
21,405 |
21,553 |
19,824 |
| レイプ |
44,751 |
49,813 |
51,435 |
51,959 |
49,679 |
52,891 |
52,872 |
54,293 |
52,425 |
52,733 |
| 殺人未遂 |
26,806 |
26,876 |
28,576 |
28,145 |
29,545 |
28,179 |
28,128 |
31,293 |
35,861 |
30,076 |
| 暴行傷害 |
215,671 |
223,097 |
231,497 |
234,819 |
237,818 |
261,804 |
275,289 |
264,012 |
266,321 |
260,082 |
| 暴行 |
200,248 |
206,006 |
203,023 |
201,317 |
203,678 |
232,024 |
248,862 |
261,886 |
282,526 |
280,942 |
| 誘拐 |
6,903 |
6,349 |
6,148 |
6,987 |
7,414 |
8,274 |
8,218 |
7,565 |
7,281 |
7,048 |
| カージャック |
- |
- |
12,912 |
13,052 |
15,773 |
15,172 |
14,930 |
15,846 |
14,691 |
13,793 |
| トラックジャック |
- |
- |
3,732 |
4,657 |
6,134 |
5,088 |
4,548 |
3,333 |
986 |
901 |
| 銀行強盗 |
- |
- |
561 |
463 |
493 |
450 |
469 |
356 |
127 |
54 |
| 現金輸送車強奪 |
- |
- |
359 |
236 |
223 |
226 |
196 |
238 |
374 |
192 |
| 放火 |
10,948 |
9,611 |
10,110 |
9,863 |
10,037 |
9,583 |
8,945 |
8,739 |
9,186 |
8,806 |
| 住居侵入 |
231,355 |
248,903 |
244,665 |
251,579 |
274,081 |
289,921 |
303,162 |
302,657 |
319,984 |
299,290 |
| 会社侵入 |
87,600 |
87,377 |
87,153 |
90,294 |
94,273 |
93,077 |
91,445 |
87,114 |
73,975 |
64,629 |
| 車両盗難 |
105,867 |
98,669 |
97,332 |
102,571 |
107,448 |
103,041 |
100,030 |
96,859 |
93,133 |
88,144 |
| 車上荒し |
183,367 |
191,833 |
174,675 |
179,191 |
190,027 |
195,411 |
200,532 |
199,282 |
195,896 |
171,982 |
| 銃器不法所持 |
10,999 |
12,336 |
12,750 |
13,386 |
14,714 |
15,387 |
14,770 |
15,494 |
15,839 |
16,839 |
| 麻薬犯罪 |
45,928 |
39,334 |
40,363 |
42,452 |
39,493 |
43,602 |
44,939 |
52,900 |
53,810 |
62,689 |
| 万引き |
66,302 |
63,338 |
61,786 |
63,522 |
64,597 |
66,046 |
67,665 |
68,404 |
69,005 |
71,888 |
|
ケープタウンに1年未満しか住んでいないのに、治安についてどうこう語るのは無理。
まず、滞在期間中に何も起こらなかったから、自分の経験からだけで意見を述べれば「安全だった」としか言えない。 別に家に引きこもっていたわけでもないし、夜も歩き回っていたが、行動範囲がシーポイント、グリーンポイント、シティの1部と限られていて、「ケープタウンは」と語れば大げさになる。 さらには、ケープタウンとヨハネスブルグは2,000km近く離れており、ヨハネスブルグの治安状況がそのままケープタウンに当てはまるわけではないし、その逆もない。
ケープタウンだけの資料がないので南アフリカ全体の資料を使ったが、ヨハネスブルグがだいぶ数字を引き上げている気がする。 ケープタウンとヨハネスブルグを同等に扱うのもヨハネスブルグに失礼(?)だと思うので、以下に書くことと比べてケープタウンは幾らかマシ程度だと理解してもらって結構だと思う。
ただ、ケープタウンでも周りでは過去に車を盗まれた人が何人もいるし、新聞をみれば地域内で毎日殺人やらレイプやら犯罪が起こっている。
基本的に、南アフリカの犯罪率は戦争・内戦中の国を除き世界最悪レベルだ。 殺人発生率はアメリカの数倍高い。
それでも毎日73.6人が殺害されていた1995年と比べると、徐々に治安は回復してきている。 2003年は毎日54.3人まで減少した。 しかし、殺人未遂まで合わせると、毎日136.7人が殺されるか、殺されそうになっている。
殺人以外の犯罪を見てみると、
●カージャック: 毎日37.7台が襲われている
●現金輸送車強奪: ほぼ2日に1台が襲われている
●車両盗難: 毎日240台以上が盗まれている
●車上荒し: 毎日470台以上が窓ガラスを割られて車内の物を盗まれている
犯罪の主な原因としては、人種間格差、失業(31.2%)、貧困(50%)があり、黒人が殺される危険性は白人よりも20倍高く、レイプの被害女性の95%は黒人だという報告がある。
インターポール(国際刑事警察機構)の国際犯罪統計報告によれば、南アフリカで報告されたレイプ件数は世界最多だそうだ。 2003年の統計で計算すると、10分毎に1人以上の割合でレイプされていることになる。
しかし、実際には通報されても裁判まで至るのは3分の1以下だそうだ。 また南アフリカ警察でも、100件あたり3件以下のレイプしか警察に通報されていないと見ている。
しかし、仮に南アフリカ警察の考えで100件あたり3件以下しか通報されていないとすると、実際には2003年の1年間だけで175万6千人がレイプされていることになる。 全人口に対して25.5%(男:女の比率を50:50とすれば、女の50%)の人が1年間でレイプされているとは常識的に考えられないから、これは誇張だろう。 同じ女性が何度もレイプされているとか、不法滞在者、海外からの旅行者がレイプされているのであれば別だが。
以前に比べて、最近は特に銃器の使用による犯罪の凶悪化が目立っており、1998年から徐々に殺人件数は減少しているが、逆に銃器を使用した殺人は年々増加している。 1998年の殺人件数25,127件の内、銃器が使用されたケースは12,267件(48.8%)を占める。
南アフリカに氾濫する不法銃器の出所は、主に4つ。 1つ目は、軍・警察の武器庫からの盗難、2つ目は、軍人・警察官が個人で所有する銃器の盗難、3つ目は、一般市民が合法的に所有する銃器の盗難、4つ目に、国外からの密輸がある。
南アフリカ安全治安大臣の見積もりでは、合法的に銃器を所有する一般市民・軍人・警察官の手から盗まれてアンダーグラウンドマーケットに流入する銃器の数は毎年およそ3万、それに加えて毎年約8,500の銃器が警察や軍の武器庫から盗まれているという。
海外からの流入に関してだが、アパルトヘイト時代から南アフリカ政府はアフリカ各地の紛争に軍事行動や武器調達の手助けをする形で介入してきた。 それが近年の情勢安定化にともなって、自分たちが闇ルートで送り込んだ武器が闇ルートで自国に戻ってくるという状況になっている。 また、アパルトヘイト闘争期にANC(現政権)の軍事部門『民族の槍』が武器調達に利用していた、モザンビークからスワジランドを経由して南アフリカに至る不法武器の流通ルートは、現在の闇流通ルートと一致している。
南部アフリカ地域に流通している不法武器の総数の推定は、少なくて40万、多くて800万に及ぶが、その主な流入先は南アフリカである。
以前、南アフリカの(確か)BMWがドアの側面に火炎放射器が仕込まれている車を発売して、そのCMが衝撃的だったが、そのような車の需要があるのも南アフリカならではである。 ちなみに南アフリカでは、ナイフで襲われそうになったから火炎放射器で相手を丸焦げにさせても、正当防衛になる。
さて、そんな犯罪を取り締まる警察に関してだが、1998年末の世論調査では「犯罪をほとんどコントロールできていない」、「まったくコントロールできていない」と答えた人は、合計で83%にのぼった。 しかし、その1年後の調査ではおよそ6割の人々が、「犯罪を少なくともある程度はコントロールできている」と答えて、認識にも改善の兆しが見られている。
実は、アパルトヘイト時代の南アフリカ警察は体制維持のための“特高”の側面が強かった。 それがアパルトヘイト後には、特定政党による不当介入を防ぐべく文民統制を確立し、警察と社会の間のパートナーシップの確立を目指していた。 犯罪防止や秩序維持よりも、犯罪からの市民の保護、被害者へのサポートといった側面に力を入れた活動をしていたわけだ。 それが、あまりの治安悪化に政府も方向転換を図る。
1996年に安全治安省が『国家犯罪防止戦略』を打ち出し、犯罪防止が国家の最優先課題であると明確に位置付けしたのを手始めに、1998年末には政府が『安全治安白書』で、犯罪防止と共に“治安維持・法の執行”を最優先課題にすることを明確にしている。
その結果、徐々に改善されているらしい。 ただ、警察署分布の偏りを考えると、黒人貧困層が多く住む地域では警察のサービスを充分に得られていない。 例えば、1996年時点で警察署の4分の3は白人居住区にあった。
ちなみに、グリーンポイントの警察署に行った時に、警察署内に大きなポスターが貼ってあって『Stop! Killing Police』と書いてあったのは衝撃的だった。 南アフリカでは警察も大変です。 夜間の検問などはアウトソーシングで、警察ではなく警備会社がやっているほどだから。
やはり、数字だけ見るととんでもない無法地帯のようなイメージを受けるが、南アフリカの凶悪犯罪の特徴を挙げると、@親族、友人、家庭内など、顔見知りの犯行および女性と子供に対する犯罪が多い、Aアルコール消費量が高く、アルコールの摂取が家庭内暴力、襲撃、殺人の大きな原因になっており、“顔見知りの犯行”のケースもかなり多い。
ただ、そのことを差し引いても依然としても世界最高水準の治安の悪さであることには変わりはない。
じゃぁ、どうしたらいいんだ?!と考えた結果、南アフリカで犯罪に遭うか遭わないかは“運”という結論に達しました。
もちろん、夜間の移動には必ずタクシーを使うとか、フラットを探す場合はセキュリティーを考慮して選ぶとか、車を駐車する場合は路上を避けるなど、「安全を買う」意識で下手にお金をケチらないのが重要かと思われる。
実際に住めば、「どこどこのストリートには夜間はあまり近づかない方が良い」などという情報も入ってくるので、そういった情報をきちんと手に入れられる環境を作るのも大事だ。 |
 
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